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    いきる

    @baleine_0101

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    いきる

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    サボエーの朝。わんこなサボのお相手するエースくんの話です。
    (冬の時期に書きました🐶❄️)

    駄犬の朝餉 晴れた日の朝、窓際から差し込む日差しに目を覚ますと、すぐ横でサボが眠っていた。キラキラのきんぱつに、お綺麗な寝顔。昨日は一晩中、獣みてェな顔してたくせに。朝からなんだか癪にさわって、もぞもぞと反対側に寝返りを打つと、腹に腕を回された。
    「おはよう、エース……」
     耳元ですげェ柔らかい声で言われたもんだから、つい体が跳ねる。そのままきゅって抱き締められて、「なんでそっち向くんだ」って肩に額を擦り付けられた。
     ふわふわの髪の毛が犬みてェで、無視して寝たフリをしてると「ねえ、おい、なあ、おきろよ」なんて、口うるさく呼んでくる。朝のサボは、とにかく甘えたでめんどくさい。学校じゃ王子様なんて言われてるくせに、今はすんすんと音まで出して、おれの首裏の匂いを嗅いでくる。
     マジで犬だな。なんて思って、腹を撫でてくる掌を掴んで顔を向けてやると、ふわんと嬉しそうなサボの表情が見えた。
    「エース、おはよ」
     丸い瞳を緩ませて、おれの頬にキスをしてくる。距離が近ェよ。甘ったれた表情が少しだけ憎たらしく、ぷいと顔を背ければ、ご自慢の怪力で体を引き寄せられる。「ふきげんな顔も、かわいいな〜」とか「筋肉あったけェなあ〜」とか訳分からんこと言いながら、ぴったりと肌を触れ合わせてきた。
     確かに、あったけェのは間違いない。コイツもコイツで鍛えてるらしい体は、みっちりとした筋肉が熱を持ってて、包まれるとちょっと心地が良い。まぁずっと寝てたんだから当たり前と言えばそうなんだが……。そんなゴリラ並みの筋肉よりも、もっと気になってしょうがないものが、おれにはある。
    「……当たってる」
    「なにが?」
    「誤魔化すんじゃねェよ、ナニだよナニ」
     おれの脊椎辺りにあたってる、膨らんだ熱の塊。朝っぱらから元気すぎるソレに、本人は気付いてないときた。
    「は?ナニって?」
    「バカ。ちんこだよちんこ!当たってんだってデケェのが!」
     ケツをかるく突き出して教えてやれば、あぁ、なんて気の抜けた声でサボは笑う。
    「しょうがないだろ、生理現象だ。デケェのはもともとだし」
    「じゃあ押し当ててくんじゃねェよ……気になって二度寝ができやしねェ」
    「え、なに寝ちまうの」
    「寝るに決まってんだろ、一晩中ヤられてたんだからよ。おれはねみぃんだ」
     顔を背けて毛布を手繰り寄せる。正直もう暑いから投げ出したいくらいだが、ガードの意味も含めて、サボが掛ける分もぐいっと引っ張ってやった。
    「さみぃさみぃ。まだエアコン付けてねェんだから、おれも入れろよ」
    「あーその朝勃ちちんこ抑えたらな」
    「無理に決まってんだろ。おれはエースにちんこも含めて、あっためてもらいてェの」
     腕力で毛布を半分剥ぎ取られ、案の定ぎゅっと抱き締められる。ばっちり当たるサボのちんこが、さっきよりも勃ち上がってる気がする。ひくんと、腰が震えた。
    「っば、か……!だからデケェんだって!」
    「ははっ、昨日は欲しがってたくせに。この可愛い腹ン中に、ここまでハメ込ませてよぉ……」
    「っ、うぁっ、」
     おれよりもデカい手のひらが下腹を撫でてきて、思わず変な声が出た。もう無意識に、腹ん中がきゅうっと疼く。
    「はぁ……マジで可愛いな……」
    「……ッ、おまえなぁ……っ」
     サボは熱っぽい息を吐き出しながら、すりすりと腹筋を擦ってくる。その内側、腹の奥にたっぷり中出しされた昨晩のことを思い出して、頭の芯がじんと熱くなる。
    「もっ……やめろって……」
     意識なんてしてないのに、サボに触れられると身体はどんどん高まってく。思わずふるりと首を振って拒絶すると、かぷりと首筋を噛まれた。
    「っひ……」
     歯が肌に食い込んで、ぞわっとした快感が背筋を走る。そのまま伸びた舌が這って、かぷかぷと噛みながら吸い付いてくる。
    「……っん、ッ、バカ、目立つとこには付けねェって約束だろうが……っ!」
     堪らず上半身を起こして、サボの拘束を解く。離れた腕に、熱い唇。代わりに、丸っこい澄んだ目がおれを見上げてきて、にっこりと嬉しそうに緩む。
    「ギリ見えねェ!ほら、髪に隠れんだろ」
     サボもおれに合わせるように体を起こして、噛み跡をなぞってくる。ほんとかよ、と思いながら指で触れると、べとりと濡れた感触に、はっきりとした凹凸。
     確かにギリギリ見えないラインだが、こいつは駄目だ。深くいきすぎている。
    「噛むのはもう駄目だ。痕が残る」
    「見えねェのに?」
    「見えなくてもだ」
    「なんだよ……じゃあ、おれはどうやって愛を伝えればいいんだ」
     しゅんと分かりやすくしょぼくれて、サボはおれの身体を抱き締める。
    「噛まねェで伝えりゃいいだろ」
    「そうした方が残るだろ、おれの愛が。そんでお前も、自分の体を見ればいつだって思い出す。win-winだ」
     筋肉質な腕でおれのことを包みながら、サボはそんなことを楽しそうに言った。ふわふわとした金髪が、視界のふちに映り込む。
    「なーにがwin-winだよ。噛み跡だらけの体見たってウンザリするだけだ」
    「嬉しいくせに」
    「嬉しくねェ」
    「素直じゃねェなあ」
     くっくっ、と笑い声を漏らしながら、サボはまた、おれの首筋に唇を吸い付ける。ん、とつい零れた声。折角起き上がったのに、おれは食われながらベッドに押し倒される。
    「……な、いいだろ?」
     掠れた声が耳許を燻って、きゅうと腹奥が疼く。細まったサボの目が、熱っぽくぎらつきながらおれを見下ろしてきたもんだから、ひっ、と零れそうになった息を呑み込んだ。
    「……ダメだって言ったって、言うこときかねェだろ」
    「よく分かってんじゃねェか」
     笑った顔の、なんとも嬉しそうな表情。甘ったれてんじゃねェぞ、なんて言おうとした言葉は、噛み付くようにされた口付けによって消えてしまった。
     
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