バーベキュー俺をどん底の人生から拾い上げてくれた人に捨てられて、まあ田舎に身を寄せることになったんだが、初めての週末バーベキューをすることになった。
正直なところそんなことをする気分にはなれないし何なら寝てたいし気遣いがありがた迷惑というか、居た堪れないというか、とにかく嫌だったんだが居候の身の上で断れるわけもないから参加した。
当日の昼間になって庭に出てみたら、俺以外の参加者が集まっていた。主役のお出ましだ、とでも言わんばかりに俺を見て微笑むみんな。帰りたい。一体どこへ? 前の家に帰ったところであの人はいない。
多分あと1週間は何をしてもあの人のことを思い出すんだろうな。
俺の諦めとも悲しみともいえないものを混ぜた笑みを見たみんながどう思ったかしれね、彼らが指し示したのは肉だった。
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