白昼夢[金糸の髪が朱に染まる]
【黒髪が赤に濡れる】
[片方の青の目が塞がれて]
【他の命の水でも体を染め上げて】
[先生の友が連れて帰ってきたのは]
【己の目の前で刃を背に生やして】
[血塗られた利き腕と握りしめられた刀と愛用の煙管]
【己の命の水を流し流し流して】
【不敵に笑う貴方】
カランと石づくりの部屋の中に音が響き、ユリアの足元には天球儀とカードがユリアの手から溢れ落ちる
「はッ…ぁっ…」
銀輪に飾られた空色と花のような赤の瞳からはらりと澄んだ涙がこぼれ落ちる。
浅い呼吸を繰り返し必死に整えようと己を掻き抱き
藻掻けば藻掻くほど
あの時の記憶を繰り返し”思い出す”
同時に唯一を失う植え付けられた記録を”思い描く”
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