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    エース

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    エース

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    ムンナ ジェステ ⚠️にょたステ注意 他人アース 『妖精に捧ぐ』『ダリアの王子様』のあと、プールデートしに行く話。単品でも読めます。

    Poolside Angel『ね、今度の日曜日デートしない? プールに行きたいんだ!』
     スティーヴンからそうテキストが届き、思わぬ誘いに目を瞬いた。
    『勿論! 良いね。是非行こう』
     だが〝スティーヴンが? プールだって? 博物館じゃなくて?〟という疑問を他所に、俺の指は素早くスティーヴンにそう返事をしていた。だってそうだろ、可愛い彼女の水着姿が見れるんだぞ!
    『勿論、って:'-D じゃあ場所はここ、日曜10時にね!』
     それからすぐ送られてきたのはレジャーセンターのURLだった。
    『分かった。でも、迎えに行こうか?』
    『ううん、レイラ達と行くから大丈夫』
     そこでやっと話が見えて来た。これはスティーヴンと二人っきりのプールデートじゃない。レイラが来るなら、まず間違いなくあの兄貴もセットで着いてくる。というか着いてこない方がどうかしてる。
    『レイラ達って、マークも?』
    『あっ、うん。ごめん説明しそびれた』
     スティーヴンが話すには、毎年三人でプールに遊びに行っているそうだ。だけど今年は俺とスティーヴンが付き合い出したので、お呼ばれすることになったらしい。というか呼ばれるのは当たり前の権利だと思う。彼女も家族や友人と遊びに行くことはあるだろうしそれは当然の事だが、折角のプールなら俺も呼んでくれ! と思うのもまた当然の事だ、だろ?
    『オーケー分かった。二人きりじゃないのは寂しいけど、スティーヴンとプールに行けるの楽しみにしてる』
    『うん、僕も』
     話はそれで終わりになるかと思われたが、続けてスティーヴンが何か入力しているのが見えた。長い文章を打っているのか、他に何か理由があるのか中々続きが送られて来ない。はて、と思いながら待つこと数十秒。ポコンと続きのテキストが送られてきた。
    『新しく可愛い水着を買ったから。楽しみにしてて』
    「えっ」
     思わず驚きの声が出た。可愛い、水着。しかも新しい。うぬぼれで無いとするならば、態々デートの為に新調してくれたという事だろう。
    『新しいって、どんなやつ?』
     俺は冷静ぶってそうテキストをそう返した。スティーヴンとの会話で初めてテキストで良かったと思った瞬間だった。でなければ如何に必死かがその表情からバレバレだっただろう。
    『当日まで内緒!』
    『そんな!』
    『スティーヴン!?』
    『おい、スティーヴン!』
     俺がその後幾らテキストを送っても既読は付けども返事は来ない。いっそ電話して聞いてやろうかと思ったがそれはやりすぎだと思いとどまり日曜日までの四日間、俺は悶々としながら過ごす羽目になった。



     四日後。清々しい日曜日の朝。俺は気が逸りすぎ、朝は仕事に行くよりも早く目が覚めしまい、手持ち無沙汰に持ち物を二度も確認してしまった。それも精々自分の水着、バスタオル、自分の水着を新調する時に念のため買った浮き輪、それでお終いなせいで大して時間も潰せなかった。俺は結局待ち合わせよりもかなり早く家を出て、スティーヴンたちを待つことにした。

     七月の日陰。大人しくしていると言えどじっとりと汗ばんでくる。スマホで時計を確認すると待ち合わせまであと十分だった。
     普段スティーヴンと待ち合わせすると大抵の場合少し遅れて来るのだが今日はレイラと兄貴が一緒だからだろう、十分前にも関わらず待ち合わせ場所にやってきた。
    「ジェイクッ! お待たせ!」
     とととっ、と駆け寄ってくる彼女は薄い水色の膝下丈のシフォンワンピースに麦わら帽子姿だ。半袖にサンダルと夏にぴったりな恰好をしていて、今日も変わらず愛らしい。
    「いいや、全然。今来た所。……今日も可愛いね」
     にこ、とスティーヴンに微笑みかけるとスティーヴンは少しだけ眉を下げ、俺の額に手を伸ばしてきた。
    「もう! 褒めてくれるのは嬉しいけど嘘吐かないの! こんなに汗掻いてるに……」
     そう言ってスティーヴンがその指先でそっと汗を拭ってくれた。
    「ありがとう。でも、指が汚れる」
    「平気。それにどうせすぐプールに入るし」
     スティーヴンがそう言うのでされるがまま汗を拭ってもらい、スティーヴンの細い指が顔を擽る感覚を楽しんでいるとスティーヴンの後ろから「ンンッ」と咳払いの声がしてきた。
    「いつまでそうしてる気だ?」
    「ハァイ、ジェイク」
     スティーヴンの後ろに居たのは当然彼女の兄とその彼女だった。咳払いをしたのは兄貴の方。ちょっと目の前でイチャついただけです~ぐコレだ。
    「おはようレイラ。……それからマークも」
    「あぁ」
     互いに素っ気ない態度だが、まぁ男同士なんてこんな物だろう。それに、俺たちにしてはこれでも随分とマシになった方だ。
    「ほら二人とも、睨みあってないで受付に行きましょう!」
    「早く早く!」
    「分かった、分かった」
    「お、おい……」
     別に睨みあってた訳では無いのだが……。俺とマークは彼女たちに背を押される形で受付に向かわさせられた。

     受付で入場料を支払い鍵を受け取り、女性二人とは更衣室前で別れると俺とマークは並んで男子更衣室へ向かった。
     空いていたロッカーを適当に選ぶことになったのだが如何せん日曜日なせいでそこそこ埋まっている。俺たちは致し方なく隣同士のロッカーを選び、黙々と並んで着替える羽目になった。俺たちは終始無言を貫いたが最後、更衣室を出る直前互いに「妙な真似はするなよ」「過保護も程々にしないと嫌われるぞ」と軽いジャブだけ打ち合った。



     大抵の場合女性の方が着替えに時間が掛かるものなので、俺たちは適当に隅の方で荷物を置ける場所を確保して、浮き輪を膨らませながら二人を待った。
     今俺が膨らませているのはスティーヴンの浮き輪らしく、マークから渡される時マークが如何にも〝渋々〟といった表情をしていて内心こっそり笑ってしまった。本人は「スティーヴンに言われたから渡すが、」と言っていたが、スティーヴンに言われたからとは言え渡してくれたのだから関係性はやっぱりかなり良くなっていると言えるだろう。
     浮き輪もすっかり膨らまし終わって、そろそろ来るだろうかと女子更衣室の方をチラリと見ると丁度二人が出てきたところだった。
    「二人ともお待たせ」
    「ごめんね~、遅くなっちゃった」
     ペタペタと素足で歩み寄ってくるスティーヴンを俺は上から下まで隈なく観察した。あからさまな、不躾な目線だったろうが可愛い彼女の初めての水着なんだ。一回目だけだからどうか許して欲しい。
     スティーヴンの水着はかなり洋服っぽいデザインの物で、生地さえ違えば街中でも歩けるようなデザインだった。上は黒地に白の小さな水玉柄の肘丈までのトップスに、下は太腿の中ほどまでの赤いフリルタイプのズボンを履いている。鎖骨から上と、手足の露出はあれど腹の部分すら見えていない。トップスは恐らくラッシュガードだがレース生地になっているのでどちらかというとオシャレの意味合いが強そうだ。
     こうしてスティーヴンが何かにつけて赤を選んでくれることに、俺はこっそり喜びを感じている。何故ならスティーヴンの好みの色は青やグリーンといった寒色系なのにも関わらず、俺と付き合うようになってからは「赤は、ジェイクの色だから」と言って赤を選ぶようになってくれたからだ。
     
    「ど、どうかな?」
     右手で照れたように襟足を弄りながらスティーヴンにそう尋ねられた。だがこんな可愛い恰好したスティーヴンに対する返事何て初めから決まっている。
    「可愛い」
    「そ、そう?」
    「あぁ。もうめちゃくちゃ可愛い。……誰にも見せたくないよ」
     真剣な顔と声色でそう返すとスティーヴンは可愛らしくはにかんだ。そのあまりの愛らしさに、俺は目の前に居るのは水着を着た天使に違いないと確信した。
     俺はそれをスティーヴンに告げようとして、またマークに邪魔されたら雰囲気もあったもんじゃ無いとチラリとマークとレイラの方を確認した。だがマークはマークでレイラを褒めるのに忙しそうだ。目線をスティーヴンに戻し、さぁありったけスティーヴンを口説こうと向き直れば、何やらスティーヴンが恥ずかしそうにモジモジしている。
     まだ可愛いしか言っていないし、大した言葉も伝えていない。何か照れさせるような事をしてしまっただろうか? と思わず言葉に詰まった。
    「スティーヴン、」
    「ジェッ、ジェイク!」
    「ん?」
    「あの、あのね……じ、実はね」
     襟足を弄っていた右手を胸元に寄せ、両手をイジイジとしているスティーヴンは何か言いたげだ。俺はそれを急かすでもなくコト、と少し首を傾け続きの言葉を待った。
    「これ、これね……この水着、実は下にも来ているのがあってね」
     確かにスティーヴンの水着はかなり洋服っぽい。だがその下に、より水着らしい物を身に着けてはいるのだろうが……。
    「その、そのね? 下は、その……、」
     スティーヴンはそこまで喋ると、俺を見上げ、ちょいちょいと手をこまねいた。俺はスティーヴンが誘うまま身を少し屈め、スティーヴンの口元に耳を寄せた。
     スティーヴンは右手を口元に寄せ、マーク達から口元を隠すようにしながら俺の耳元にこう囁いた。
    「赤の、ビキニを着てるんだ」
     恥ずかしそうに、ぽしょりと告げられた言葉に、俺は雷に打たれたみたいにしてスティーヴンを振り返った。
    「ッ、えっ」
    「そっ、それでね、今日は見せらんないんだけど……こん、今度、二人で……もう一度来ない?」
    「スティーヴン、それって、」
    「ンンッ! ン、ンンッ!!」
    「マーク、邪魔しないの」
     再び聞こえてきた咳払いに、今度は耐えきれず音した方向を睨みつけた。小声でされていた会話は二人に聞こえていない様子だったが、どうもあちらの会話は終わっていたらしい。マークは腕組みして半目でこちらを――正確には俺を――見ているし、レイラはそんなマークに呆れ顔だ。
    「まだプールに入らないつもりか」
    「あら貴方そんなに楽しみにしてたの?」
    「いや楽しみにしていたのはスティーヴンで、別に俺は……」
    「ワーー!! そ、そう! 僕プールすっごく楽しみだった!」
     スティーヴンはそう言い、近づけていた体を慌てた様子で離した。それから抱えていたタオルなどの荷物を置き、代わりに浮き輪を持ち俺の手を引いてプールサイドに向かって歩き出した。
    「プール! 楽しみだねっジェイク!」
     少しあからさまな、話題を反らそうとするスティーヴンの話題に、普段の俺ならまんまと乗せられてやるのだが先にこれだけは言っておかなければならない事があった。
    「そうだな。……なぁ、スティーヴン?」
    「な、なにっ?」
    「プールデート。……二回目も、なるべく早く来ような?」
     スティーヴンに連れられ、ペタペタとプールサイドを歩きながら俺はそう話した。だってこれだけは、有耶無耶にしたら悔やんでも悔やみきれないので。
     俺の言葉に、スティーヴンは耳をサッと赤くして、それから小さくコクンと頷いた。
     俺はこれからプールでスティーヴンと遊べる事、それから二度目のプールデートが取り付けられた事、最後にスティーヴンのビキニ姿を拝める事を確約された事、その全てに胸を躍らせながらこの日を命一杯楽しんだ。
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    エース

    DOODLEムンナ マク♀ステ 仮面舞踏会パロ
    あめさんとのお喋りで盛り上がったやつ。何かちょっと書きたかったのと違うんだけど、一旦これで。
    この後無事二人は再会し、お喋りに興じるがジェがマクの仮面を借りてステに会いに行きジェステも始まる。三人が顔見知りに(顔は知らない)になった頃漸く名乗り合うマクステと、出会って速攻名乗るジェイク。
    マスカレード! 仮面舞踏会。それは一時身分やしがらみを忘れ、享楽に耽ける場。表向きは日々の憂さ晴らしや拙い秘密の遊戯と言った所だがその実、密通や淫行が蔓延る会もそれなりにあった。
     俺はそもそも舞踏会というものに興味が無く、それは仮面を被っていても同じ事だった。寧ろ相手が誰か分からない分厄介な事も多い。そしてそんな俺がこの仮面舞踏会に参加している理由は、単に兄弟のお目付け役だった。いや、半分がお目付け役、半分が兄弟に無理矢理引き摺られて来たせいだ。
     俺の双子の兄弟であるジェイクはこういった華やかな場が好きで、好んで顔を出す。そして俺なんかより遥かに上手に様々な思惑に満ちた、この見掛けばかり豪華な生け簀を泳ぐ。今日も俺を連れ出すだけ連れ出して、自分はサッサと舞台の中央に躍り出てしまっている。
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    エース

    DONEムンナ マクステTOS天使疾患パロ。三人の誰でパロディするか悩みに悩んで、結局マクステだなとなりました。理由としては、TOSの公式CPはロイコレだと思っているので、それならば三つ子でやるならマクステしかなかろう、と。
    配役の方は〝何かと契約して人で無くなる〟ならそれはマークだし、〝普段は抜けてるのに大事な人の事はちゃんと見てる〟のはステだろう、と思ったから。なのでロイコレからのマクステ解釈です。
    消えた涙 ぼんやりとベッドボードに背を預け窓の外を眺める。明るすぎる都会の空ではろくに星も見えないが、こうして朝まで時間を潰すのにも随分と慣れた。ただ静かに息をして、隣で眠るスティーヴンを起こさない様に気を付けていれば良いだけだ。
     窓の外を眺めるのに飽きたら今度は隣のスティーヴンを見る。それを繰り返していれば、朝までそう時間も掛からない。
     今日もやっと日付が変わった所だ。朝までのあと六時間くらいを、いつものように窓の外とスティーヴンとを往復しながら過ごそうかと思った時、隣の塊がゴソリと動いた。
    「マァク……、眠れないの?」
    「スティーヴン……悪い、起こしたか」
     窓から振り返るとスティーヴンが眠たそうにしながら目を擦っていた。静かにしていたつもりだったが、やはり隣で体を起こしているべきでは無かったのだろう。いっそベッドから離れて、そのままソファで過ごすべきだったと後悔した。
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