わかれ道シラツユの戦闘員や治安維持のヒト達の誘導により、キッカと店長達は地下のひとつへと避難していた。
プライバシーやセキュリティの安全性に欠けること以外、夜のキッカの家と変わりはなかった。
ブキケースに貼ったステッカーを撫で、その中に入れていた黄色いクラゲちゃんのマスコットを抱きしめる。
「みんな、大丈夫かなぁ…」
ミエルは戦闘員兼治安維持も担当しているため、常にここにいるという訳にもいかず、ここへ来てからはまだ顔を合わせられていなかった。ベイトの不安げな声と薄暗い洞窟にキッカも少し気が滅入っていた。
キッカがここへ持ち込んだ物は、ブキ及びブキケース、ホウズキから貰ったクラゲちゃんのマスコット、最低限の日用品、そして…これまで貯金したおカネ。
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