昔も、今も、きっと石になるまで【フィガオエ】昔みたいに戻りたいかい?
そんなことを聞いたら、
彼はきっと最高に美しく、最高に軽蔑した笑顔を見せるのだと思っていた。
「おまえなんか嫌いだよ」
北の大地のような鋭さを纏って、きっとそう言うのだ。
「フィガロは、北の魔法使い達のことを昔から知っているんですよね?」
この世界に来たばかりの賢者様は、ペンを握りながら俺にそう問いかける。
北の魔法使いとはまだ全然話せていないから、彼らのことを教えて欲しい。
そう頼み込んできた、フィガロからすれば赤ん坊のような賢者の瞳を、無下にすることはできなかった。
それはあまりに、フィガロがこれまで切り捨ててきたものと似ていたのだ。
フィガロとあまく呼ぶ、彼の瞳を思い出してしまう。
「まあね。彼らは若い頃から北の国で有名だったしやんちゃだったから、スノウ様やホワイト様に言われてお仕置きしたこともあったよ」
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