明るい色の鳥(?)との出会い「…じゅげむ、じゅげむ、ごこうのすりきれ、かいじゃりすいぎょ、すいぎょうまつ、うんらいまつ、ふうらいまつ、くうところにすむところ、やぶらこうじのぶらこうじ、ぱいぽぱいぽのしゅーりんがん、しゅーりんがんのぐーりんだい、ぐーりんだいのぽんぽこぴーのぽんぽこなのちょうきゅうめいのちょうすけ…!いえた!!」
夕方の公園で小学生の低学年の子供が1人で覚えた寿限無を何度か口ずさみ
言えた事を嬉しそうにしていた
もう一度間違わず言おうと思った時に目の前に1匹の明るい色の鳥が降りてきた
「ポンポコピー」
「!?、えっと…しゃべりました?」
「グーリンダイノポンポコピー!」
「…らくご、きになるんですか?」
「ラクゴ」
「らくごです、さっきのはじゅげむってはなしのやつなんですよ」
「ジュゲム‼︎」
目の前の鳥が反応したのを見て子供は少しぼろぼろの本を開く
座っている子供の膝に乗り本を見る意識があるのではと思い指でなぞりながらまた言いだす
「じゅげむじゅげむごこうのすりきれ」
「ジュゲムジュゲムゴコウノスリキレ‼︎」
「かいじゃりすいぎょ、すいぎょうまつ」
「カイジャリスイギョ、スイギョウマツ‼︎」
そうなぞりながら言い
最後まで読んでいく
言えた事を嬉しそうに鳥は周りをくるくると飛んでみせる
「イエタイエター‼︎」
「すごいです…!とりさんぼくはときっていいます
とりさんはなんていうなまえなんですか?」
「トリノナマエンートキガツケテー」
「え…………名前………やきとり?」
「……ヤキトリ⁇、タベルノ」
「……じゃあ…ほかのなまえかんがえます…」
「⁉︎、トキショゲナイデ‼︎ヤキトリ‼︎ヤキトリノナマエヤキトリ‼︎」
鴇がしょんぼりした顔をした瞬間鳥…改めやきとりは慌てて鴇の周り頑張ってくるくる回る
「やきとりは、ともだちになってくれますか?」
「ヤキトリトキノトモダチ‼︎」
「でもおうちでやきとりかえないので…どうしましょう…」
「トキガヒトリグラシスルマデ、ヤキトリオソトデツヨクイキルネ‼︎」
「よるとかはおへやにいれれますからかくれててくださいね」
「リョーカイシタ」
そうしてやきとりとの奇妙な関係が始まった
それからは外にいる間は常に鴇の付近を飛び回っており
家に入る前に鴇の部屋の窓迄行き窓から入る生活を繰り返した
母親と兄は鴇にさほど興味は無く気が付かないまま
大学に進学する際に一人暮らしを始め
一緒に暮らす事になったのだった…
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「今思い返すと貴方最初から流暢に喋ってましたよね」
「ヤキトリハアタマイイカラネ‼︎」
「はぁ、まあそういうことにしときましょうか」
「モシカシテヤキトリ、トキノイマジナリーフレンズダトオモッタ」
「貴方がイマジナリーだったら師匠に預ける事はできないと思いますよ?」
「タシカニー」
「それにあの若頭も貴方を認識してるでしょうに」
「ヤキトリトシンサンハ、オトモダチナノ‼︎」
「友人は選びなさいやきとり」
「アンシンシテ、トキガイチバンダイジダヨ‼︎」
「はいはい、ありがとうございます」
そう言って少し笑いながら指でうりうりと撫でるのだった