ENDROLL「……ん、」
前髪が揺れて、瞼が震えた。
ゆっくりと開いた視線の先に、愛おしいシアンブルーが見える。
手を伸ばしてみる。触れた頬がひどくあたたかい。蕩けたような微笑につられてほほえんだ。
辺り一面に咲き誇る花々は、きっと枯れることのない景色。差し出される手に手を乗せて立ち上がり、ゆっくりと連れ立って歩き始める。
「あら、あなた帽子はどうしたの」
「君こそ、あの素敵なリボンはどうした」
どこまでも続く景色を進む。吹く風は甘く穏やかで、どこからか鳥の囀りが聞こえてくる。
「少し休憩しましょうか」
せせらぎに差し掛かり座り込むと、隣に寄り添ってくれる感触に今になって気恥ずかしくなってくる。誤魔化すように花を摘んだ。暫くただ、互いに言葉は交わさずにいた。やがて出来上がった花の環を、そっと金の髪へと乗せる。
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