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    mitulove_uno

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    mitulove_uno

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    父受けミニオンリー淫習村の展示小説です。
    水父
    とにかく元気な水木が気づいたら人外化していてゲゲ郎親子と幸せに暮らすお話です。

    幸せ家族 縁側でゲゲ郎と鬼太郎と一緒に座り、アイスを食べていた時にふと思ったのだ「俺、年取ってないな…?」と。思いはそのまま言葉として表に出た。水木の呟きを聞いたゲゲ郎は、はて?と一度首をかしげると「そういえば人ではなくなってるな」と丸い瞳を更に丸くして言った。鬼太郎のかじったアイスがしゃくりと音をたてる。

     水木は気づいたら人の道を外れていた。

     ゲゲ郎は推測でしかないが、と前置きした。水木の人外化は幽霊族の血や体液を取り込んだことにより起こったのだと。
     幽霊族の血を人に直接輸血してしまうと哭倉村で見たように屍人になってしまう。水木は直接輸血した訳ではないが、妖樹の根から吹き出た幽霊族の血を大量に浴びている。じわりと染み込んだ血により、水木の身体は人外となるための準備ができたのだ。
     血を一回浴びた程度で人外化はしないし急激な変化は身体が耐えられないが、作られた土台に幽霊族の体液を毎日のように受け入れことにより身体が少しずつ作り変えられたと。
     そこまで聞いた水木は胸ポケットから煙草を取り出して火をつけると深く吸った。ふぅと真っ白い息を吐いた後、なるほどなとしっかり頷いた。

     水木とゲゲ郎は情を交わす仲である。

     先に恋をしたのは水木だ。水木の運命を変えた村でゲゲ郎に出会いそのあり方が美しいと思った。愛を語り、真っ直ぐに妻を愛し、己のことより愛するものの未来を守ろうとした姿が眩しく美しかった。
     水木はこの想いを捨てるつもりだった。恋した相手は既婚者で、ゲゲ郎は妻が亡くなろうとも変わらず深く妻を愛しているからだ。
     いろいろあって水木とゲゲ郎と鬼太郎の三人で暮らすようになった後も想いを捨てようと何度も頑張ったが、好いた相手がひとつ屋根の下に暮らしているのに恋心を捨てろと言う方が無理な話だった。この想いを一生秘め、親友として相棒として傍にいる覚悟を決めた矢先のことだ。
     ゲゲ郎に隠し事を洗いざらい話せと言われたのは。
     水木の態度を不審に思えど、気の長い幽霊族は相棒が話してくれるまで待とうとしたが、全く変わらない現状と初めてできた人間の友に隠し事をされて悲しい気持ちになったゲゲ郎は、水木本人に尋ねることとなったのだ。
     勿論水木は言う訳にはいかなかったので、営業マンの笑顔で何も無いと答えたが、ゲゲ郎は納得がいかずだんだんとヒートアップする口調に、お互いに対しては負けず嫌いになる二人の導火線はついに燃え上がった。
     羽子板に将棋にけん玉にとありとあらゆる勝負事をし、最終的には殴り合いまで発展した。ゲゲ郎の力で人間である水木を殴ればひとたまりもないが、無意識に力を抑えてくれたようだった。しかし、お互いに心は本気だ。
     水木の鼻からはぼたぼたと血が落ち、ゲゲ郎の身体にはあちこちすり傷ができていた。殴り合いの途中でとうとう水木に限界がきた。水木は隠したいのに、それを暴こうとしているのはゲゲ郎だ。ならば責任をとれと頭の中で何か糸が切れてしまった水木はゲゲ郎の胸ぐらを掴み、鼻血のせいで顔面血まみれになりながらゲゲ郎への想いをぶちまけたのだった。
     
    「好きだ!愛している!奥さんに対する深い愛も、鬼太郎を愛する優しい眼差しも、これと決めたらテコでも動かない強い意思も、好物にとろけるような笑顔を見せる姿も、感情のままに泣く姿も全部愛おしくって仕方がない!俺はお前の傍にいれるだけで幸せなんだ!」

     もうどうにでもなれとやけくそ気味で叫んだ。全て吐き出した後は一度目を閉じふぅと深くため息をつき、激情を抑えつけた。頼む傍にだけはいさせてくれとすがるような思いで目を開けゲゲ郎を見た瞬間水木は固まった。
     湯気でも出そうなほど顔を真っ赤に染めてゲゲ郎がいたからだ。
    「な、え、お主儂のことをそんな風に…?」
    「…可愛い」
    「かわ!?」
     動揺するゲゲ郎に水木の脳内はいけるっ!という文字で埋め尽くされた。水木の想いに嫌悪を抱いていないどころか好感触だ。押せばいけると水木は判断した。
     ちなみに男二人が騒がしくしているなか鬼太郎はスヤスヤとお昼寝をしていた。
     そこからは怒涛のもうアタックだ。ゲゲ郎に「お主そんな、きゃらじゃったか!?」と言われようが勝機があるのならば見逃しはしない。
     押しに押されたゲゲ郎はある日「儂は妻を愛しているが、水木も、同じように愛しておる」と水木の想いを受け入れてくれた。
     ゲゲ郎の妻は生涯岩子だけだが、ゲゲ郎の旦那は水木だけとなった。
     そんな訳で水木はゲゲ郎と接吻もするし、身体も重ねる。幽霊族の唾液やら精液やらをばっちり接種しているのである。

     人外化してから人の営みに混ざったり離れたりを繰り返した。鬼太郎は小学生ほどの背丈になると成長が緩やかなものになり、何年も同じ場所にいられなくなったからだ。鬼太郎に人との関わりを大切にして欲しいという願いから数年人間社会で暮らしては、離れ、落ち着いたら戻る。
     鬼太郎は「何回小学生をやればいいんですか」と言っていたが、人間の子どもと遊ぶ姿は楽しそうであった。
     水木は会社勤めを再びしたり、探偵事務所を開いてみたりし、ゲゲ郎は妖怪関係の相談に乗ったり事件を解決したり、二人ともその時その時で好きなことをしていた。

     人間社会に戻って来た時に水木が始めに行う事は近所付き合いを円滑にすることである。男が二人と幼い子が一人一緒に暮らしている様子は不審に思われるだろう。ゲゲ郎と鬼太郎が悪意に晒された日には水木の斧が火を吹いてしまう。
     帝国血液銀行で働いていた時に培った接待スキルが役に立った。ターゲットは噂話が大好きな奥様方である。
     まずは笑顔だ。なにより笑顔だ。そしてきちんとした挨拶。人は視覚からの情報を第一にしている。水木の面は良く、ゲゲ郎は愛嬌がある。笑顔で挨拶をすれば大抵の人は良い印象を持つ。
     鬼太郎は幼子というだけで強いカードだ。奥様方の実子は高校生や成人が多く、小さい頃はとっても可愛かったのになと過去を振り返ることが出てくる時期だ。そこに幼子の笑顔をぶつけてみろ。一撃必殺である。
     鬼太郎は元気いっぱいというタイプではないが、恥ずかしそうに小さな笑顔で挨拶する姿はこれ以上ないくらい可愛らしいのだ。
     子育ての苦労を人生の先輩に相談するという方法も有効だ。実際は水木達の方が長い時を生きているのだが、見た目若い男が四苦八苦しながら懸命に子育てをしている姿は微笑ましいものである。奥様方のアドバイスを真摯に受け止め共感し、笑顔でお礼をする。
     水木としてはあまりやりたくないのだが、ゲゲ郎が嫌ではないと言うのでやっていることもある。ゲゲ郎に妻である岩子の話をさせるのだ。何故片親なのか気にされ、やれ浮気だ、やれ暴力だ、離婚だなんだと勝手な想像で変な噂を流される前に先手必勝である。
     妻とは死別したこと。その妻を今でも深く愛していること。息子の鬼太郎が何より大切なこと。ゲゲ郎にとって何一つ偽りのない真実である話。
     一途な思いは奥様方に少女の時の淡い恋心を呼び起こす。クリティカルヒットだ。
     これにて完全勝利である。奥様方を味方につければ怖いものなどない。

     そうやって水木は日々ゲゲ郎親子の幸せの為に全力を注いでいる。ゲゲ郎親子の幸せが水木の幸せだ。
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