散歩中に通りかかった家で見つけたキラキラ輝く彼に、僕は一目で恋に落ちだんだ。
星の色に夕日をひとしずく垂らした毛並み。
くるりと大きな目。
揺れる耳も、彼の後ろで揺れる尻尾も、表情に負けず劣らず素直でわかりやすい。
だから、毎日通いつめては彼に【ショウ】の話をする僕のことを、憎からず思ってくれているのだって間違いじゃないはずなのに。
「ねえ司くん、決心してくれた? 僕と世界中で【ショウ】をしようよ」
「決心もなにも、お前と共に行く気はないと何度も言っているだろう」
もう何度目かもわからないお誘いは、今日もまたにべもなく振られて終わり。まあ、諦めなんてしないのだけれど。
だって、いつもこの話をする度に司くんの瞳は一瞬輝くんだ。そうしてすぐに目を逸らしてしまう。何かを諦めるように。
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