やわらかな羽根を抱くかいなのぬくもり 「おどれ、なんで『する』とき腕付けるん?」
唐突な問いだった。
「は…?」
もう寝るかとなって、ベッドに潜り込んだあとだった。シャワーも浴びて着替えも終わったから、ヴァッシュは義手を外した。それを見てのウルフウッドの問いだった。
「いつもはそうやって外して寝とるやん。その方が楽なんかなと」
確かにいつもはそうして寝ているし、『その』時はつけている。
「あ…いや…別に…深い意味は…」
「意味ないんか」
ほーん…軽くそういって、ウルフウッドは皴になった毛布を整え始めた。特に大きな意味もなく、ただの思い付きの質問だったのだろう。気にした風でもなく、ヴァッシュにかける毛布まで引っ張って、肩に回しかけてくれた。ウルフウッドと向かい合ってベッドに寝転んでいる。右腕が下になる体勢で、義手のない状態では毛布もうまく引き上げられない。不便は不便だが、つけているのも少し重いから、寝るときは外してしまっている。
1981