ペップと1枚のコイントタン板で出来た建物が建ち並び、建物から突き出た小さなパイプからは、黒い煙が立ち込めており、側溝(そっこう)は建物からでた真っ黒な泥がながれていた。
この街に住む、少年ペップは日々生きる為に沢山働きました。
彼には頼れる大人がおらず、同じような境遇の仲間たちと身を寄せあって暮らしています。
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少年は何時ものように働きに出かけました。
彼が通る道は何時も悪臭のする泥が流れるとても細い道。
仕事場に着くと、ペップよりも大きくガッシリとした大人が待っていました。
この大人は、ペップがまだ力が無い子供だという理由で意地悪をしてくるのです。
今日も、ペップだけが大変な持ち場を与えられました。
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ペップは仕事が貰えるだけでもいい日だと自分に言い聞かせ、持ち場へ行き仕事をはじめました。
彼が行う仕事は、この街よりさらに先にある鮮やかで楽しそうな音楽が流れる裕福な人々が住まう場所からでたゴミや泥を専用のパイプへ流す作業でした。
重たい泥やゴミを持ち上げるため、大人は誰もやりたがらないのです。
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黒い雲に包まれ空を見ることは出来ませんが、気づけば就業を告げるチャイムが鳴り響き、ペップも仕事道具を片付けようと持ち場を去ろうとした時でした。
キラリとゴミの中から何かが光るのが見えたのです。
恐る恐る近づいてみると、そこには1枚の金貨が落ちていました。
きっと、裕福な誰かが誤って捨ててしまったのでしょう。
ペップは、こっそりとコインを持ち帰ることにしました。
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その晩、ペップの頭の中はコインの事でいっぱいでした。
誰かに話そうとも思いましたが、生きていくのに必死なこの町では、きっとずる賢い大人に取られてしまうと考えたペップは誰にも話すことが出来ませんでした。
このコインがあれば、何が出来るだろうか。そんな事ばかり思い浮かんでは消えていきます。
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仲間たちが起きるよりも早くに目が覚めてしまったペップは、ポケットに隠したコインを握りしめどこかへ出かけていきました。
仲間たちの為に豪華な朝ごはんを買いに行ったのか、はたまた別の理由で仲間たちを置いていったのか…。
それは、ペップにしか分かりません。
皆さんはペップがどこへ出かけたと思いますか?
コメントで教えていただけると嬉しいです!
ご視聴ありがとうございました!