星降る夜に見た夢は(web再録)――カーヴェが多額の報酬を得るらしい。
手札をテーブルへと開き、感想戦が始まった頃だった。夜のランバド酒場は賑やかで、ああそうだ、と思い出したかのように落とされたセノの声はあっという間に喧騒へと溶け込んでしまう。とはいえ、まさに青天の霹靂とも呼べるその情報をアルハイゼンが聞き漏らすはずはない。思わず視線を持ち上げると、負けた手札を難しい表情でじっと見つめていたティナリとぴたりと動作が重なった。
「へえ、カーヴェが? そんなことさっきまで一言も話してなかったけど」
「本人から直接聞いた話ではない。たまたま耳にしただけだから真偽は不明だ。……ああ、そのカードは序盤に出した方が良かったんじゃないか?」
「うぅ……、なるほどね」
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