異形のサーカスとサカナの僕 郊外に広がる森、そこには窪みを作るように小さな村がありました。人口は百に満たないもので、それぞれが支えあい慎ましく暮らすのどかな村でした。村を包む森の深いところに、僕の家はありました。それは家というよりも小屋という方がふさわしいものでした。
僕は強く大きく、乾いた木を伐る木こりというものでした。木こりという職は、人一倍力の強い僕には生業にするにぴったりでした。子どもだけでなく大人にも勝る怪力が、僕にはあったのです。
僕が伐った木を村に持って行くと、鳥のさえずりと子どもたちの笑い声、大人たちのおしゃべりが止まってしまうのはいつものことでした。
何故なら、僕の半身は黒く光る鱗に被われているのですから。
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