限られない時間をあなたと次の特攻で川を渡ってくる仲間を迎える際、マエの姿を見て何やら微妙な顔をするきーや。
「マエ、お前か」
不安な気持ちだけを残して、サァッと血の気が引いていく。
「お前にはもっと…少しでも長く笑って生きてて欲しかったんだけどな。来るのがはええよ」
仕方ないか、とか。
誰が来ても同じだけどな、とか。
照れ臭そうに笑う姿を見て、安心して肩の力がふっと抜けた。
会えるかもわからない死後の世界に体が緊張していたのだと今さら気がつく。
きーやの相変わらずに救われた。
分け隔てなく誰にでも優しい、そんな君だから好きになったのだと、涙が流れるマエに慌てふためく姿はたいそう貴重で。
「だから泣いてほしい訳じゃ…あぁっ!マエ!」
手をギュッと強く握る。
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