キスがしたいだけの口実この間、ピッコロさんとキスをして腰が抜けた。
うっかりお父さんに、そんな話をしてしまった。それが、いけなかった。
「オラもやってみたい!」
まさかそんな返しがあるとは予想もしていなかった。父と母のそんな場面を想像はしたくなかったが、話の流れで想像してしまい赤面する。
この目の前であっけらかんとしている父が、しっとりと名前を呼んで甘いキスをするのかと思うと、何だか恥ずかしくなって視線を逸らした。
「ピッ、ピッコロさんに、聞いてください……」
「あ、そうか。なら、ピッコロのところに行くか!」
「へ?」
気付けば、既にピッコロさんの家の前に。
巻き込んでしまい申し訳ないと胸の前で合掌をしながら、お父さんの後に続いた。
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