縁の先 星瞬く大海。それを映し込む大海。煌めく星が映る水面に身を任せ、メフィラスははるか彼方の星々を見上げていた。ここから見る宇宙は数多の星に溢れ、密集した光群は雲のようだ。しかし一度その空間へと身を投げ出せば、あれほど犇めいていた星の群に出会う事は無くなる。ぽつりぽつりと、銀河と呼ばれる塊に出会うものの、そこに飛び込んでしまえば、また広大な空間が広がっているだけだ。
いる場所で、いる惑星で見える景色が違う。面白い物だと情緒的にとらえながら、今度は自分が身をゆだねている海原へと意識を移す。海面下では海洋生物が動いているのを感じ取る事が出来、それらが時折、体表にぶつかったり、おそらくは齧りつこうとしているのが分かる。命溢れる海面下に、その気配の濃密さに満足感を得た所で、視界の端へ、不似合いな物が映り込んだ事に気づく。
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