業の地にて「――ねえ皆、ちょっと歩きづめだし、そろそろ休憩しない?」
瓦礫塗れのモルスの地。そこを進む一行の一人であるニアが声を上げた。
モルスの断崖から落下し分断されたメレフ達は、苦心しつつもお互いを探し出し、その半数ほどが合流を果たしたところだった。残り半数の仲間も見つけ出すため歩みを進めていた一行だったが、皆ニアの提案に同意すると、それぞれ思い思いの場所で体を休め始めた。
メレフもまた崩れた壁に身体を預け、ふうと一つため息をついた。休息を取ることで、疲労で回りきっていなかった思考にようやく余裕が生まれてきたメレフは、自分達の現状、そしてひとまずの目標について考えを巡らせた。
自分達はモルスの断崖から落下し、この地に辿り着いた。遠くで吹き上がる気流が幸いしたのか、自分を含めて仲間は皆五体満足であり、命に関わる重傷も負っていない。
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