あまい「今日はもう終わりにして秘密の部屋で休みますか?」
――どうせ少し横になっていれば動けるようになるんだから、このままでいいよ
そう思いを込めて小さく首を横に振る。
センパイはボクの意思を汲み取ってくれたのか、それ以上は何も言わなかった。
センパイが静かになったことで聞こえてくる音に意識を寄せる。
今回のライブに合わせて騎士さまに書いてもらった曲と、それに合わせて靴が床と擦れるキュッキュッという音が聞こえる。
――あ、今のところテンポがズレてる......またズレた。ライブまでの期間を考えると少し振り付けの難易度が高かったかな......いや、違う。バルくんたちは悪くない。ボクがこうやって時間を無駄にしているからだ......。
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