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    tsuyuirium

    @tsuyuirium

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    tsuyuirium

    DONE一緒にお風呂に入って会話してる狂聡
    きょうじさんがセンチメンタルでリリカル気味です。
    ずばりな表現はなくてフレーバー程度だと思われますが、性的な接触を匂わせる意図はありますのでご注意ください。
    内側にあるという豊饒 ぴかぴか、ちかちか。きらきら、つやつや。
     開かれた冷蔵庫の扉から漏れ出す煌々とした光が、全ての電気が落とされた部屋に広がる。それは逆光となり仄暗い空間の中で、たちまちそこに立つ聡実くんのなだらかな背中の線を模るものになった。
     まるで宇宙空間で見る星の誕生のようであり、もしくはともすると、最期のときの超新星爆発のようでもあった。
     暗闇に馴染んでしまって光に慣れないままに細めた目が、内側からじんわりと熱をもつ。起き抜けでまだ少しぼんやりとする頭では、それが生理的な反応からくるものなのか、それとも目に見えたものが心に働きかけた結果のものなのかは判別がつかない。
     美しいかたちをしている。
     容姿や外見的特徴をたとえ好意的な意味であったとしても論うのは昨今ハラスメントにもなりかねないので気をつけなければいけないところではあるが。その状況を差し置いても、誉めそやされて然るべきだと思った。
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    tsuyuirium

    PAST狂児さんの賭けとそんなことはつゆ知らずの聡実くん。
    映画の演出を踏まえた描写がございます。
    大穴ばかり外すギャンブラーに明日はない 今日は振り返るやろうか。慣れた帰り道を少し俯きながら歩く背中に変わったところはなさそうだ。ベッティングまでに残された時間はあと少し。何か見落としていることはないか。可能な限りの情報を集めるために、対象の観察をしばし続ける。
     屋内での部活だからか、日に焼けていない頸がヘッドライトに照らされると幽霊みたいに白いこと。助手席で寝てしまってシートに押し付けられた後ろ髪が癖になってたまにはねていることも、後ろから見送るようになって初めて知った。
     初めて送り届けた日。家を教えられないと健気にも突っぱねながらも可哀想に、車に乗っている時点で無理だと告げたあの日から始まったことだ。
     家を知られたくないなんて面と向かって言った相手にすらも礼を尽くせるこの子の心根が、心配になるほど清らかで美しいのを目の当たりにして、そこにつけ込んだと言う自覚は正直、あった。着いたらラインして。心配やもん。そう言うとあの時の聡実くんはぎょっとした表情で目を丸くしてこちらを見ていた。あの顔を思い出すと今でも愉快な気持ちになれる。
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    tsuyuirium

    PAST聡実くんお誕生日おめでとう🎂
    わぬ友情出演の狂聡です。わぬが普通にお隣に住んでてコミュニケーションをとってます。
    わたぬきの日隣に住むわぬから、衣替えの手伝いを頼まれた。桜ももうすっかり見頃になるくらい暖かく、天気がいい今日が頃合いのようだ。
     僕よりもおしゃれに気を遣っていて衣装待ちなわぬの冬服を、指示を受けながら衣装箪笥へと収納していく。
    「だいぶ片付いたで。僕より服持っとるな」
     ふかふかの胸板を少し大仰に逸らして、自慢げな素振りを見せてもちっとも威厳がない。ちぐはぐさがおかしくて、つい小さな笑いが溢れる。
     わぬは僕たちとは同じ言葉は喋らなかったが、不思議と言いたいことや意思が伝わってくるもので、コミュニケーションの上で困ることはない。今も喋らずとも、身振り手振りや豊かな表情で僕に指示を出してくれる。
     冬の間によく見かけていた、綿の入ったふかふかの半纏。一度このタイミングで虫干しをするそうで、半纏を受け取るとわぬはとてとてと日が差し込む窓辺へ駆け寄っていく。ベランダで風にあてたいのだろう。わぬはちらとこちらを見て、引き戸の前で立ち止まる。やっぱりそうだったことを確認して腰を上げる。
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