いずみのかな
DONEパトレイバー あすのあ 特等席とスペシャルな時と。夏色「こーゆーとだけきは、職場が辺鄙な場所でよかったと思うな」
「こーゆーときだけ?」
「他にあるか?」
「……あんまりない」
「だろ?」
遊馬はそう言って、アリスブルー色をしたラムネバーを一口頬張った。野明は野明で、最近あまり見かけなくなったパピコのコーヒー味をちゅーちゅーと吸っている。
都会の熱帯夜特有の、あのむせかえるような昼の名残はここにはなく、替わりに様々な匂いが空気に満ちている。
草の青臭さ。
舗装されていない地面の、埃と微生物の匂い。
海からくる潮の香り。
機械を扱う場所特有の、工業油のクセのある匂い。
トタン屋根に積もった土埃。
そして、毎年一度だけ漂ってくる、かすかな火薬。
ヒュ~……、というか細い音がして、夜空を大きな華が彩る。それから一瞬遅れてドン、という腹に直接響く景気のよい破裂音。
4179「こーゆーときだけ?」
「他にあるか?」
「……あんまりない」
「だろ?」
遊馬はそう言って、アリスブルー色をしたラムネバーを一口頬張った。野明は野明で、最近あまり見かけなくなったパピコのコーヒー味をちゅーちゅーと吸っている。
都会の熱帯夜特有の、あのむせかえるような昼の名残はここにはなく、替わりに様々な匂いが空気に満ちている。
草の青臭さ。
舗装されていない地面の、埃と微生物の匂い。
海からくる潮の香り。
機械を扱う場所特有の、工業油のクセのある匂い。
トタン屋根に積もった土埃。
そして、毎年一度だけ漂ってくる、かすかな火薬。
ヒュ~……、というか細い音がして、夜空を大きな華が彩る。それから一瞬遅れてドン、という腹に直接響く景気のよい破裂音。
いずみのかな
DONEパトレイバー 違うものが混ざり合い、とけあう前の。バレンタインねた ごとしの、あすのあ、いさかぬマーブル「おはよー、……ってなんかあったのか? みんなで集まって」
遊馬はハンガーからオフィスに上がる途中で、思わず足を止めた。いつもは適度に分散している人口密度が、今日はやけに偏っている。一瞬新しい装備品かなにかを皆で検分でもしてるのかと思ったが、それにしては雰囲気が華やいでいない。いや、華やいではいるのだけど、それは初めて見る機械や電子装備品を前にした機械屋たちのそれではなくて、もうちょっとくだけた華やぎ方だった。
興味に任せて人ごみに顔を突っ込むと、そこで袋から何かを配っているシゲをまず見て、次に袋の中身を見て、不覚にも一瞬固まってしまった。
「ん? 遊馬ちゃんおはよー。見りゃ分かるでしょ、チョコだよチョコ」
7200遊馬はハンガーからオフィスに上がる途中で、思わず足を止めた。いつもは適度に分散している人口密度が、今日はやけに偏っている。一瞬新しい装備品かなにかを皆で検分でもしてるのかと思ったが、それにしては雰囲気が華やいでいない。いや、華やいではいるのだけど、それは初めて見る機械や電子装備品を前にした機械屋たちのそれではなくて、もうちょっとくだけた華やぎ方だった。
興味に任せて人ごみに顔を突っ込むと、そこで袋から何かを配っているシゲをまず見て、次に袋の中身を見て、不覚にも一瞬固まってしまった。
「ん? 遊馬ちゃんおはよー。見りゃ分かるでしょ、チョコだよチョコ」
いずみのかな
DONEパトレイバー、あすのあとごとしの。梅雨の終わり、真夏、そして嵐の前のくもりの日の一コマ。
作中の行事については、北海道で行われているとのことですが苫小牧でやっているかはわかりませんが、やっている世界線の話と思ってくださると嬉しい…
七月七日、くもり 梅雨の合間の蒸し暑くどんよりとした雲の下、第二小隊は今日も今日とてお仕事だ。
機材が機材だけあって犯罪より事故や災害への対応に狩りだされることが多い部署ではあるが、梅雨時は足元が危ういために、自分達の動き次第で二次災害が発生しかねないから、一層神経をつかうことになる。したがって、帰還時にはいつもよりも疲れているし、疲れているのだから少し気が緩んでいても仕方がないというものだ。
いうものだが、突然インカムから、
「ローソク出ーせー出ーせーよー 出ーさーないとー かっちゃくぞー おーまーけーにー噛み付くぞー」
なんて鼻歌が入ってきたときは、さすがに遊馬は突っ込まざるを得なかった。
「野明いきなりなんだよ」
10283機材が機材だけあって犯罪より事故や災害への対応に狩りだされることが多い部署ではあるが、梅雨時は足元が危ういために、自分達の動き次第で二次災害が発生しかねないから、一層神経をつかうことになる。したがって、帰還時にはいつもよりも疲れているし、疲れているのだから少し気が緩んでいても仕方がないというものだ。
いうものだが、突然インカムから、
「ローソク出ーせー出ーせーよー 出ーさーないとー かっちゃくぞー おーまーけーにー噛み付くぞー」
なんて鼻歌が入ってきたときは、さすがに遊馬は突っ込まざるを得なかった。
「野明いきなりなんだよ」