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DONEanzr 初出2024.1.春メイ
初詣へ行くことになった、ある朝の2人。
まさか己が特定の女性に対して、このような願いをする日が来るとは。
三六六日分の福よ、来たれ(春メイ) 年明けからもう十日以上が過ぎている。
どう考えても遅い時分だったが、今年初めて訪れる以上はれっきとした初詣といえるだろう。
「ここが神様の通り道だと思うと、何だか気が引き締まる心地がしますね」
彼女は、射し込む朝の日差しを浴びながら、本殿へと続く砂利道を危なげなく進む。ともすれば転びやすい道で多少の心配はしていたが、七篠さんには杞憂だったらしい。日頃から身体を張る場面が多いから、必然的に体幹が鍛えられているのだろう。
「そうだな」
同行を快諾してくれた彼女を早朝から連れ出すのは忍びない気持ちもある。しかし、参拝の類は午前のうちに行うのが良いと聞く。習わしに従うことを優先したのは、他ならぬ彼女との関係性を適当に済ませたくない、という想いがあったからなのかもしれない。
2160どう考えても遅い時分だったが、今年初めて訪れる以上はれっきとした初詣といえるだろう。
「ここが神様の通り道だと思うと、何だか気が引き締まる心地がしますね」
彼女は、射し込む朝の日差しを浴びながら、本殿へと続く砂利道を危なげなく進む。ともすれば転びやすい道で多少の心配はしていたが、七篠さんには杞憂だったらしい。日頃から身体を張る場面が多いから、必然的に体幹が鍛えられているのだろう。
「そうだな」
同行を快諾してくれた彼女を早朝から連れ出すのは忍びない気持ちもある。しかし、参拝の類は午前のうちに行うのが良いと聞く。習わしに従うことを優先したのは、他ならぬ彼女との関係性を適当に済ませたくない、という想いがあったからなのかもしれない。