とうた
DONEプロになった遊馬20才と海外でバリバリやってる出口さん。できてます。甘えることを教えたのは、貴方だから 誰も来ないはずの場所に何故かその人はいて、やってきた遊馬を無言の微笑みで迎えてくれた。
満員のホームスタジアムでノーゴール、晴天にまるで似つかわしくない惨めな敗戦。またもや首位は遠のいた。向こうのシーズンが終わってすぐに、この試合に間に合うよう飛んできてくれた彼にも不甲斐ないところを見せてしまった。
何の数字も残せないまま八十分過ぎに下げられた自分が腹立たしくて、そんな自分を誰にも見られたくなくて、そっと群れを離れたのに、彼にはすべて見透かされている。オレもここで頭冷やしてたんだよ、と彼は笑う。
隠し事ができない。弱いところを見られている。
だけどさらけ出すことを初めて自分に教えたのは、他ならぬ目の前にいる彼。
848満員のホームスタジアムでノーゴール、晴天にまるで似つかわしくない惨めな敗戦。またもや首位は遠のいた。向こうのシーズンが終わってすぐに、この試合に間に合うよう飛んできてくれた彼にも不甲斐ないところを見せてしまった。
何の数字も残せないまま八十分過ぎに下げられた自分が腹立たしくて、そんな自分を誰にも見られたくなくて、そっと群れを離れたのに、彼にはすべて見透かされている。オレもここで頭冷やしてたんだよ、と彼は笑う。
隠し事ができない。弱いところを見られている。
だけどさらけ出すことを初めて自分に教えたのは、他ならぬ目の前にいる彼。
とうた
DONE小ネタ。まだ付き合ってないけどさっさと付き合いなよ状態のでゆです。遊馬が高二、デグさんがレバークーゼン一年目。
Burn you ノートパソコンの画面に現れた少年はこんがりと健康的に日焼けしていた。レバークーゼンのアパルトメントの片隅に、懐かしい日本の夏の空気が一瞬流れ込む。ぎらつく太陽。蝉時雨。練習終わりの氷菓。
「ははっ、よく灼けたなあ」
「もー毎日毎日暑くて敵わんじゃ」
「夏休みに入ると日中の練習が増えるからな」
今、日本は二十二時過ぎで、ドイツは練習が終わったばかりの午後。時差が十三時間もあると、リアルタイムでの会話はこのタイミングくらいしかない。しかも互いに遠征が入ったせいで、こうして話すのは三週間ぶりだ。
「ほら、こんなに色が違うんスよ」
遊馬はTシャツの裾をぺろんとめくって、引き締まったお腹を見せてくる。まるで灼けていないお腹と真っ黒に灼けた腕の色の違いは確かに面白かったが、その無防備さがオレ以外の奴に発揮されていないことを祈りたい。
1472「ははっ、よく灼けたなあ」
「もー毎日毎日暑くて敵わんじゃ」
「夏休みに入ると日中の練習が増えるからな」
今、日本は二十二時過ぎで、ドイツは練習が終わったばかりの午後。時差が十三時間もあると、リアルタイムでの会話はこのタイミングくらいしかない。しかも互いに遠征が入ったせいで、こうして話すのは三週間ぶりだ。
「ほら、こんなに色が違うんスよ」
遊馬はTシャツの裾をぺろんとめくって、引き締まったお腹を見せてくる。まるで灼けていないお腹と真っ黒に灼けた腕の色の違いは確かに面白かったが、その無防備さがオレ以外の奴に発揮されていないことを祈りたい。