ハッピー・ハッピー・ウェディング「けいすけ、ごはん」
「ん~? あ~」
「あ~、じゃなくってさあ、ご飯できたってば」
私はちょっとうんざりした気分でお皿に盛り付けたカレーとサラダをローテーブルに置いた。同棲中の彼氏は冷蔵庫から自分のぶんのビールだけを取り出すと、のそのそとテーブルの前に座りいただきますも言わずにカレーにスプーンを突っ込む。その間も決してスマホを離そうとしないし、視線はずっとゲームの中だ。彼女の手料理より大事なゲームって何? 付き合い始めたときはこんなんじゃなかったのに。
「……いただきまーす」
ぽつりと呟き、相変わらずスマホをいじりながら無言でカレーを食べている彼氏の隣に腰を下ろして私もスプーンを口に運んだ。テレビでは夜のニュースが流れている。あと少しでいつも見ているバラエティの時間だ。スマホに夢中の彼氏とは会話もない。つまらない気分でぼんやりと画面を眺めていると、急にとんでもないニュースが目に飛び込んできた。
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