君と一緒アイク7歳 シュウ6歳
「おにいちゃん...」
時刻は10時。うちの家では夜9時になったらベッドに入るよう言われている。小学校に入り、色んな科目の授業を受けることなって僕はワクワクして毎日のように教科書を読むのが日課になっていた。特に国語の教科書はたくさんの話が載っているので僕のお気に入りの教科だった。今日もいつもと同じように国語の教科書を読んでいると、申し訳なさそうに僕をよぶ小さい声が聞こえてきた。声の方に視線を向けると、2段ベッドの階段に登り顔だけ出してこちらをみている僕の弟、シュウが眉を下げていた。
「どうしたの、シュウ。なんかあった?」
僕がそう声をかけるとシュウは瞳を潤ませ、何かを言いたいのに言うのを躊躇っているのか口をぱくぱくとさせている。ベッドから身体を起こし、シュウの方へと近付いて頭を撫でてあげ、ゆっくりでいいよと声をかけると一度強く目を瞑っておずおずと靴を開く。
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