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case669

過去絵を晒すなんか豆イベで宇宙猫顔になってしまったので昔書いたフロジャミ?未満?を三つ再掲
じゃみが手慣れたびっちです注意
【がじがじ】

さて、困った。
ジャミルは部室の明かりをぼんやりと眺めながら溜息を吐く。薄情な部員達はジャミルと目を合わせぬままそそくさと着替えてさっさと出て行ってしまった。残されたのはフロイドと、二人きり。
そのフロイドといえば、ジャミルを後ろからしっかりと抱え込んで首筋をはぐはぐと齧っている。尖った歯が肌を傷つけない程度の強さで幾度も立てられ、時折大きな舌がべろりと舐めてはちゅうと吸い付く。くすぐったいとも痛いとも言えない、なんとも言えない感触。
「なあ、そろそろ行かないと」
「ん、ん~~」
朝練でしっかりと汗をかいた後だから、正直な所、恥ずかしいし勘弁して欲しい。一度寮に戻ってシャワーを浴びようと思っていたから碌に汗も拭いていないし、フロイドに齧られているせいで右肩がべしょべしょになっている。だがまるで大事なぬいぐるみでも抱えるかのように長い腕で確りと腕の中に閉じ込められていては逃げ出す事も出来ない。一時間目が始まる前に飽きてくれれば良いのだが、飽きてくれなかった場合はどうしようか。
「早く着替えないと、授業が始まる」
「ん~~」
ジャミルの腹をがっちりホールドしている腕をぺんぺんと叩いてみるが、何がそんなに楽しいのか夢中になったフロイドからは生返事しか返ってこない。仕方なしに、ぐ、っと身体を前に倒して立ち上がるそぶりを見せれば、今まで加減されていた歯が容赦なく項に食い込む。
「い”っっっ……ったぁ……」
何か、抗議のような声が聞こえるが齧る事を止めない所為でふがふがと何を言っているのか全く聞き取れないし、肋骨を折る気かというくらい腕の力が強くなって苦しいし、歯が痛いし吐息が擽ったい。
「せめて、いったん着替えないか?またその後齧ってもいいから」
「そーやって逃げる気でしょー?だめー」
流石に同じ手は二度使えないかと漏れそうになった舌打ちを飲み込む。そう、別にフロイドにただ延々と齧られるのは今日が初めてというわけでもない。「噛み心地が良い」という謎の理由でしょっちゅう齧られている。最初こそはなんとか逃げようと抗ったものだが、抵抗すれば抵抗するほどテンションが上がって齧る事に熱中するフロイドを見て抗う事を止めた。一時間もずっとひたすら右肩をがじがじちゅるちゅるされた後、がっちり抱え込まれたまま寝落ちられて更に三時間も身動きが取れなくなったトラウマは大きい。
「なら、せめて場所を移動しないか。此処、汗臭くて嫌だ」
「んー、しょーがないなー」
漸く解放された右肩がひんやりしている。だが安心したのも束の間、立ち上がろうとする前に、腹に掛かる圧と浮遊感、気が付いた時にはフロイドの肩の上に荷物のように担がれていた。
「お、ッ前、なあ!」
「だってー、逃げる気だったでしょー?」
見えるのはフロイドの背中ばかりで表情はわからないが、楽し気な笑い交じりの声が応えだろう。がっしり片腕で足を抱えられてしまっては逃げようもない。否、やろうと思えば出来るが下手に事を荒立てるよりは穏便に行きたい。抗えば抗う程フロイドのテンションが上がるのはわかりきっているのだ。
「何処行こっかなあ」
「校舎、校舎が良い」
「んー……」
頼むから校舎に行ってくれ。逃れられなくてもせめて人目につく所に行ってくれ。そうしてこの状況を見た誰かが早く保護者に連絡してくれ。いっそアズールが直接通りかかってくれ。
ひょろ長い見た目からは想像つかない程安定した歩みに揺られながら逆さになった周囲を伺うが、誰も彼もが好奇の眼差しで見ているか、そっと憐れみの表情を浮かべた後に視線をそらして何処かへ行くばかりだ。あ、おい、写メを撮るんじゃない、いや撮っていいからそのままアズールに送ってくれ。頼むから。
「ぃいいっっっだだだだだだ!!!」
「あはっ、此処もいー噛み心地ー」
シャツがめくれあがって剥き出しになった腰骨ががじがじ齧られて痛みが走る。確かに噛みたい欲求を中断させていたわけだし目の前にあるしでつい齧ってしまうのも仕方ないのかもしれない。いやそんなわけあるか。
「痛っ……後で好きなだけ齧っていいから前見て歩け!」
がじがじするフロイドにさすがに抗議の意を込めてなんとか自由になる膝から下で腹を蹴ったり、手で背中をべしばし叩いてみるが、あはは~と楽し気に笑うばかりで効いた気配が無いし、知らぬうちに人気の無い方に来てしまっている。せめて、スマホを持ってくればよかったと後悔してももう遅い。はあ、と深い溜息一つ吐き出してジャミルはただ運ばれるままだらりと身体を弛緩させた。


通行人から報告を受けたアズールとジェイドが慌ててやってくるのはそれから十分後の事。




【部活】

コート内を縦横無尽に駆け巡るボールを視界に捕え続け、隙あらば味方へと繋ぐ。味方が保持しきれずにパスされたボールは素早く正確に適切な味方へと渡し、時には敵の手からボールを奪う。ジャミルが点を決める訳でも、敵の攻撃から守る訳でも無いが味方はジャミルを中心に動く、そんなポジション。
週末の部活恒例、上級生との練習試合。今日は調子の良いフロイドが恵まれた体格とセンスで一人で盛り返してはいるが、どうしても全体的な経験の差でジャミルのチームは圧されてしまう事が多い。それでもなんとか食らい付こうと必死で味方から投げられたギリギリのパスを両手で受け取る。
咄嗟に次に渡す相手を探すが、皆がっちりとマークされ迂闊に投げる事が出来ない。自ら突破しようにもゴール下を守る先輩に押し勝つビジョンが見えない。そんな中でふと、上級生と肩で押し合いをしているフロイドと眼が合う。
「来い」
と、煌く色違いの瞳に言われた気がした。何かを考えるよりも先に身体が動く。フロイド目掛けてドリブルを始めたジャミルを止めようと上級生が動いた隙をついて反対側から顔をのぞかせたフロイドに目掛けて、思い切り足を踏み込み横に飛ぶ。着地地点に組んだ両手が待ち構えるように差し出され、片足で跳び乗るや否や、ぐん、と身体が持ち上げられる。
「いっけえ~」
人を一人放り投げたにしてはずいぶんと気の抜けた声援を受けながら高く、先輩をも優に超える高さを飛ぶ浮遊感がもたらす高揚に自然と口の端が吊り上がる。少しでも高く、長く、飛べるように背を撓らせ、両腕で高く掲げたボールを腹筋の力で持ってぐっと集めてリングに叩きつける。
ダンクシュートなんて、初めてやった。
味方の沸き立つ声を聴きながらリングにぶら下がって足元へと視線を落とせば床ははるか下にあった。よくこんな高さまで放り投げたなと今更ながらフロイドの無茶苦茶っぷりに笑ってしまう。ジャミルでなければ空中でバランスを崩して大怪我いただろう力業だ。
地面に降りれば、いえーい、と先程ジャミルを軽々と放り上げた大きな掌が目の前に翳される。それを思い切りばしんと引っぱたいて自陣へと戻る。今のゴールでフロイドだけではなく味方の士気も上がったようだった。今日こそは、勝ってやる。
いや、絶対に勝つ。




【がじがじ2】

週末恒例、一、二年生混合チーム対三年生チームの試合に初めて勝った。
今まで地味なPGに徹していたジャミルがノーマークだったお陰でスリーが入りやすかったのも、フロイドが稀に見る絶好調で先輩すらも圧倒していたのも、誰よりもジャミルの変化に素早く対応して見せたエースもきっと今回限りの事で、次回には今まで以上にジャミルは警戒され、それに伴いエースとのラインも積極的に分断され、フロイドは……その日に寄るが今日ほどの絶好調は早々訪れないだろう。
試合終了と共に部活も終わりになり、勝利に沸き立つ浮足立った雰囲気に包まれながら部室に向かうべく体育館を出ようとするその直前に背中を掬い上げられた、と思った時には足が地から離れ肩に痛みが走る。
「いっ……ってえな!!!」
まるでぬいぐるみのように軽々と抱え上げられてフロイドに噛み付かれていた。反射的に後頭部を思い切り叩いてやるが効いた気配もなくがぶがぶと肩に歯を立てている。
予想はしていた。フロイドは気分が高揚するとジャミルを齧る悪癖がある。だからある程度諦めてはいたが、それにしても痛い。一緒に歩いていた筈の部活の仲間はまたいつものやつかとばかりに笑いながら二人を置いてさっさと体育館から去っていってしまった。
「っおい、少しは加減しろもげる……ッ」
体重がフロイドの腕だけで支えられる不安定さが恐ろしくて胴に足を巻き付けて安定させながら、一度落ち着かせたくて濡れた後ろ髪を掴んで遠慮なしに引っ張れば漸く剥がれるが、露わになった普段は血の気を感じさせない程に白い顔は興奮でピンク色に染まり、瞳が熱に潤み、唇には鮮やかな赤が滲んでいた。そんな顔、初めて見た。
「ウミヘビくん~……」
はぁ、と顔に掛かる吐息がいつになく濡れていた。そのままがぶりと文字通りに唇に齧りつかれる。キスなんて生ぬるい物じゃない、文字通り唇に歯を立て長い舌が色気のかけらもなくジャミルの口内を掻き混ぜる。
「んあ、っちょ、……っと、待て、ってば」
逃れようと身体を捻ろうとすればすぐ傍の壁へと背を押し付けられ、引き剥がそうとした両手は囚われて壁に縫い留められる。その手管は見事なまでに滑らかなのに、隙あらばジャミルの舌までも齧ろうとする唇はただの捕食行為にしか感じられない。手管もセオリーも無い動きにどう逃げて良いかもわからず散々歯が当たるし挟まれる唇が痛い。
そもそも、普段フロイドがジャミルを齧る時はいつも背後からだった。こんな真正面から抱き合うような姿勢になるのは初めてだ。
はあはあと荒い呼吸に包まれて、壁との間に押しつぶすかのように圧し掛かる身体が熱い。それから、強くなる血の香りと、ぐっと尻の下に押し付けられる硬い物。
がぶりと、ジャミルの方からフロイドの唇に噛み付く。少々想定よりも強く噛みすぎてしまった気はするが不可抗力だ仕方ない。
「いっっったあ……!」
流石のフロイドもさすがに顎を引いて逃げる、その口の周りは真っ赤に染まっていた。そこまで血塗れになるほど噛まれただろうかと一瞬焦るが、なんてことはない、その赤はフロイドの鼻から広がっている。
「お前、そんな、鼻血出す程興奮して、……」
ぶは、と思わず吹き出して笑う。笑われたフロイドといえば、べろりとその長い舌で唇の周りの血を舐め取るとそれをそのまま塗り付けるようにジャミルの顎から頬までを舐めては汗を啜る。
「ねぇ~…ちんちん痛い……」
そうして少しは手加減を覚えた歯でジャミルの頬を齧りながら股間を押し付けてはもどかし気に眉根を寄せる、その甘えがジャミルの気を良くした。というよりも、こうして真正面から強請られるのにはどうにも弱い。何もわかっていないような無垢が垣間見えたのなら尚更。
「俺なんかに構ってないで、トイレにでも行って来たらどうだ?」
未だフロイドの口の周りを汚す赤を舐め取りながら、笑う。お互い口の周りを真っ赤な唾液でべたべたにしてムードも何も無い。なんでもかんでも口に入れては涎塗れにする赤子と一緒だ。
「ええ~……ウミヘビくんどうにかしてよぉ」
「何で俺が」
「だって、美味しいじゃん……」
フロイドがジャミルを齧るのは歯応えだけの問題かと思いきや、味も関係があったらしい。初めて知る事実に益々笑ってしまう。普段ならばそんなわけのわからない事を言われたって首を傾げるだけだが、何せ今日は上級生チームに勝ったのだ。ジャミルだって、浮かれている。
「ここにさあ、ちんちん入れたい……」
そう言って両手が解放される代わりに、がっしりと尻を大きな掌で掴まれてその合間に長い指先が埋まり、布越しにぐりぐりと擦る動きは相変わらず色気もクソもない、ただそこに穴があるから埋めたみたいな雑な手付きはしかしジャミルの気を良くするばかりだ。鬱陶しい時は本当に鬱陶しいが、たまにこうやってぴったりとジャミルの欲しい物を寄越してくるからこの男を嫌いになれない。
「入れたいって言われてすぐ入るような場所じゃない」
「じゃあどうしたらいいのさ?」
普段、待ての出来ない駄犬だが、今はジャミルがその気にならなければ解決が出来ない問題を前にして必死に待てをしている。尻の合間を擦る指は痛いくらいで一つも気持ち良くなんか無いが、精神的に、クる。常にこれだけ可愛げがあれば扱い易いのだが、そううまくは行かない所がこの男の魅力でもある。
「とりあえず、此処じゃ嫌だ。落ち着く場所に連れてけ」
そうして自由になった腕をフロイドの首に絡ませて唇を寄せる。すぐに噛み付こうとフロイドが口を開くのを一度避け、それから唇を舐めて、啄む。
「んう??」
「噛むな。大人しくしてろ。悪いようにはしないから」
唇を触れ合わせたままに囁けばくすぐったげに震えた唇が押し付けられ、けれどそれ以上は動こうとしない。素直さにまた笑いそうになるのを吐息だけに留めて唇の合間から舌先を潜り込ませる。

フロイドのおねだりの通りちんちんを入れさせてやるのもいいが、まずはキスくらいは覚えて欲しい。5370 文字
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