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ゆらゆらと陽炎の揺らめくアスファルトの道を歩きながら、あいつとの待ち合わせ場所に向かう。
もうすぐ太陽も真上にくるという時間帯に、どうしてこんなに汗を流しながら外出しなければいけないんだと思いつつも、うだるような暑さを吹き飛ばすような声で『一緒にメシ食おうぜ』なんて誘われたら、断ることなんてできないだろ。奢ってくれるって言ったし、僕の気になっていた期間限定ハンバーガーのあるファストフード店なのだから。
別に、あいつとデート気分を味わいたいとか、そういうんじゃない。違うからな。
心の中で誰に言い訳してるのかわからない感情を並べつつ、自宅から徒歩数分の店に着く。
自動ドアが開けば、スゥッと涼しい風が外に向かって押し寄せる。さすがに、灼熱地獄で一気に高まった体温は下げてくれないけれど、この一瞬が心地いい。
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