恋人たちの営業トーク燐ニキの場合
「僕がまるまる一個もらっちゃっていいんすか⁉　うわぁい、ありがとうございます！　いっただきま〜す！　ん〜っ、みずみずしくて美味しいっす！　果肉が甘くてトロットロで、僕までとろけちゃいそう……って、なんで燐音くん顔赤くしてるんすか」

一燐の場合
「……昔、兄さんがこうやって木の実を半分に分けてくれたことがあったね。幼い僕の身長ではどうしても高い枝に手が届かなくて、木登りもまだ兄さんみたいに上手にできなかったから。僕が諦めるしかなかった最後の木の実を、兄さんは分け与えてくれた。兄さんは最初、丸ごと一個僕にくれようとしたんだけど、僕が兄さんに無理を言って半分こにしたんだ。今日みたいに。今はもうどんな高い枝にも手が届くし、狩りだって一人でできるけど──兄さんと過ごしたあの日々が、僕はときどき無性に恋しくなるんだよ」

【燐ニキ】《formula》我是被丹希窸窸窣窣吃东西的声音吵醒的。
睁开眼睛，看到他正光着身体坐在床边，剥开一条巧克力坚果棒咀嚼着，颚骨上下运动的速度很慢，咬肌一鼓一鼓。
外面大概是上午或者下午，总之太阳的光线穿过情人酒店的劣质丝质窗帘，变成粉红色的幽灵附着在丹希身上，让他脸上的淤青和结了痂的伤口也变成了模糊不清的碎影。
他赤裸的大腿中间摊着我前几天捡回来的中学课本。
那天晚上我喝了太多酒又吃了不该吃的东西，像昨晚一样，手机不知道丢到哪里去，大脑乱成一团，忽然觉得凌晨两点是我应该去接丹希放学的时候。于是带着浑身污浊的气息摸到了丹希的初中去，闯进空荡荡的教室大闹一番，又在空荡荡的走廊里跑来跑去，大喊“丹希你去哪里了”。
这些画面是我在警署备份的监控视频里看见的，那天早晨值日的学生在讲台上发现了呼呼大睡的我，这群可恶的小鬼直到老师来之前一直往我脸上画乌龟，还把我的口袋摸了个底朝天。为了报复，在被老师和警察押送走之前我胡乱扯了一个臭小鬼的书包进怀里，所以丹希来到留置场的时候看到的就是满脸涂鸦背着初中生书包的我。