空に光るはすべて星 051〜060240606
手だけつないで
あの日、母さんが居なくなって、弟が来て、それで俺は「兄さん」になって、父さんも家に帰って来るようになって、嬉しかったなあ。でも、母さんみたいにいつか弟も居なくなるかもと不安で、眠る時しばらく弟に手をつないでもらっていたんだ…。えーと、あのさ、ちょっとだけ手をつないでも、いいかな…
母親が居なくなった心細さを、あの子はあんなに幼かったのに、俺の前では絶対に口にしなかったな。「ぱぱがおばけにつれてかれないように」と、眠るまで手をつなぐよう言ったあの子。真っ暗だと眠れなかった子。そうだお前はあの子じゃない。だが今だけ、少しだけ、てのひら分だけぬくもりをわけてくれ
240607
よくいったものだ、
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