会話「もう長いこと会ってないが、古い友人にある悪魔が居てな、おっかねえ顔したデカブツ野郎なんだが、他の悪魔みてえに乱暴なんかしなくてよ、むしろ静かなのを好んでた」
「そいつが言うには、やつらが元いた世界には雨が無いんだと」
「それでそいつは教会を出た途端、昔話をするようにこう言ったんだ」
『己が創った弱き者らすら守れぬと知ったとき、あの方は泣いた。それが雨だ』
『悔い、諦め、憐れみ…そのすべてを滲ませている』
「そん時はさっぱり話が分からなかったが、まあ八つ当たりだろうよ」
「傘はそいつに持たせたんだが、肩ははみ出るだわ蝋燭が濡れるわで災難だった」
「仕事だ。そいつが起きたら悪魔とは絡まないよう釘刺しとけ」