優しくしないでイシュガルドの根底が揺らぎ、アイメリクに対する批判が多い頃、リコは短い言葉で彼に心配する言葉をかけた。
「大丈夫…ですか?」
「気にはしないさ、どちらにせよ元から嫌われていた身だ、どう言われようと気にはしないさ」
丸まった背中に優しく触れて撫でてしばらくすると、彼は耐えられないかのように彼女の手を払った。
「っ、やめてくれっ!」
「……ごめんなさい」
驚いたリコの顔を見て我に返り、自らがした行いに眉間に皺を寄せて頭を抱えた。
「いや、違うんだ……すまない、怪我はないか」
「え、えぇ……」
複雑な感情の中に立派な鎧の中には儚い恋心が眠っていた。
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