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    summeralley

    @summeralley

    夏路です。
    飯Pなど書き散らかしてます。

    ひとまずここに上げて、修正など加えたら/パロは程よい文章量になったら最終的に支部に移すつもり。

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    summeralley

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    #飯P版深夜の真剣お絵描き字書き60分一本勝負
    お題【念話】

    念話の定義がいまいち分かんないけど
     送信⇒自由に出来る
     受信⇒ほぼ出来る
     思考を覗く⇒相手の能力や精神状態による
    的な感じで認識してます。

    #飯P
    #腐女子向け
    #二次創作BL
    secondaryCreationBl

    【飯P】協力お待ちしてます ピッコロはいつものように、神殿から地上を見下ろしていた。見事な星月夜のやわらかい空気が、白い石畳の上にも満ちている。風は強いが、夏の夜には却って心地よさを感じさせた。
     悟飯との修業の予定をふと思い出し、念話を飛ばしてみる。話しかける前に思考を覗くと、ひたすら数式が流れていく。どうやら、勉学に励んでいるらしい。
     「……遅くまで感心だな。起きていてよかった」
    『ピッコロさん? こんな時間に……急用ですか?』
    「来週はいつもの草原ではなく、北端の山脈へ行こう、寒い土地にも慣れるべきだ」
     ……というのは建前で、正直なところ、そろそろ暑さにうんざりしはじめていた。思い切り寒い場所へ行ってみれば、少しは暑さが懐かしくなるかもしれない。
     しかし、悟飯の返事がない。寒い場所は、嫌なのだろうか?
     『……それだけですか? だったら、こんな時間に念話を繋ぐのはやめてください』
    「心配せずとも、寝ていれば起こさない。話しかける前に、思考を覗いて確かめている」
    『だからそれが困るって! 明日の朝でもいいでしょう!』
    「何故そんなに怒る……」
     珍しく声を荒げた悟飯に、ピッコロは思わず怯む。星は強い風にちらついていたが、雲はひとかけらもない。ここからは離れた悟飯の部屋の窓からも、きっと同じ夜空が見えるだろう。
     『僕、もう十六歳ですよ……こんな時間に頭のなか見られて、エッチなことでも考えてたらどうするの!』
     あまりに真剣に言い切る悟飯に、ピッコロは思わず脱力し、声をたてて笑った。
     「なるほど、考えているんだな? 健康的で結構じゃないか、好きなだけ考えろ」
    『……本気で言ってます?』
    「嘘をつく必要がない」
     しばらく、返事がなかった。眠ってしまったのかと思うほど長いあいだ押し黙っておいて、ようやくゆっくりと、悟飯の声が聞こえる。
     『ピッコロさん。今から、思考を覗いてもいいです。健康的な僕がどういう想像をしているか、ピッコロさんにも見せてあげます』
    「改まって、どうした」
    『僕の健康のために、ピッコロさんは想像の実現に協力してくれますよね』
    「それはまぁ……勿論」
     そう答えると、悟飯は再び沈黙する。もはや説明する気はなく、思考を覗けということだろう。可愛がっている悟飯のことだ、実現とやらに手を貸せるのならば、吝かではない。
     ピッコロは目を伏せ、悟飯の家のある方角を見下ろす。どちらを向いていようと、念話が繋がっていれば思考を覗けないということはないのだが、真剣な声音の悟飯に真剣に応えなければという気持があった。夜風はますます強くなり、耳元で乱暴な音を立てる。
     やがてゆっくりと、悟飯の思考が流れ込んでくる。言葉ではなく、はっきりとした映像と、音声のイメージとして。
     ――悟飯の名を、呼ぶ声がした。見回せば、薄暗い部屋の寝台に、誰かがしどけなく横たわっている。何もかも灰色に沈む寝室で、汗ばんだ肩が、甘い吐息と共に震えている。
     そっと頬に触れると、熱を孕んだ肌が、甘えるように手のひらにすり寄った。逃がすまいとするように、背中へ回された腕が、悟飯の身体を引き寄せる。寝台へついた悟飯の手が、横たわる誰かを閉じ込めていた。
     もう一度、と掠れて訴える唇に、悟飯が口付けを与える。啄むような口付けが次第に深いものに変わり、吐息と共に苦しく喘ぐような声も零れる。喉に絡むような響きで、愛おしげに悟飯を呼ぶ者の、蕩けきったまなざしと目が合う……。
     慌てて、ピッコロは思考を覗く目を閉じた。次いで、念話も一方的に遮断する。
     思わずその場に座り込み、しばらく、顔を上げる気にならなかった。
     悟飯の想像の中で組み敷かれていたのは、あれはどう見ても……。
     ――明日からは、悟飯の言う通り、夜遅くに念話を繋ぐのは止めよう。
     動揺を鎮めんと夜空を見上げたが、ちらつく星も湿った夜気も、何一つ心を落ち着かせてくれはしない。鼓動は風の音よりずっと騒がしく、来週、どんな顔で悟飯と会えば良いのかと、頭を抱えずにいられなかった。
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    Replies from the creator

    summeralley

    DONE急いで進めてるけど12話くらいにはなってしまいそう……少し先でベッドシーンで丸々一話使ったせいで……。
    ネイPのP、ちょっと子どもっぽく書いてしまう。
    【ネイP】解剖台で夢を見た/04.聴診器の語るもの ネイルは殆ど、家へ帰らなくなっていた。職員がみな帰るのを待ってから仮眠室へ下りるので、それから帰宅となるとどうしても遅くなる。
     元々、仮眠室へ寝泊まりすることはそう珍しくなかった。同じフロアに、簡易的なシャワールームもある。食事は水で事足りる。コインランドリーは研究所の道向かいだ。
     ――家へ帰ったところで、仮眠室の様子が気になって眠れず、警備員が驚くような早朝に出勤することになる。
     自らが切り刻んだ研究対象への執着なのか、単純な個への執着なのかは、判然としなかった。それでも、寝袋を持ち込んで寝泊まりするようになるのは、ネイルにとって自然な選択だった。
     その日ネイルは、どこか浮き足立っていた。
     石室の標本に関する嘘の報告書は問題なく受理され、更に詳しく検査を進めるようにとの文言を添えた、検査項目のリストだけが戻ってきた。それも、時間がかかることを誰もが理解できる検査項目ばかりで、当分の時間は稼げそうに思われる。
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    summeralley

    DONE10話くらいで終わりたいとか言ってたのに、少し先の話に性的なシーンを入れたので予定が狂って10話で終わるの無理になりました。ネイP次いつ書くか分かんないし、どうせならって……。
    【ネイP】解剖台で夢を見た/03.新しいラベル 「石室の標本について、何か分かったか?」
    「報告書の通り、特段変わったことはありません……何しろ前例がないので、手探りで。慎重に進めています」
     ムーリは頷き、引き続き任せる、と研究室を出て行く。ケースの観察窓を覗かれなかったことに、ネイルは胸を撫で下ろした。研究者としては、それが正しい振る舞いだ。以前ネイルがそうせずにいられなかった、無闇に観察窓の蓋を開ける行為は、暗闇で保管されていた検体にどのような影響を与えるか分からない。
     ネイルの返答は、完全な嘘ではなかった。このような現象に、前例があるはずもない。腐敗せず、硬直もしない遺骸など……ただし「変わったことはない」という部分は、真っ赤な嘘だ。
     石室の標本はもう、標本ではない。さりとて、それを報告できようか? おそらく、上層部の判断で、もっと大きな研究所へ送られることになるだろう。戸籍もない古い時代のナメックが、「呼吸する標本」……良くて「実験動物」として扱われることなど、目に見えていた。
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