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    summeralley

    @summeralley

    夏路です。
    飯Pなど書き散らかしてます。

    ひとまずここに上げて、修正など加えたら/パロは程よい文章量になったら最終的に支部に移すつもり。

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    summeralley

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    #飯P版深夜の真剣お絵描き字書き60分一本勝負
    お題【猫・牙】

    お題混合で書いたよ

    #飯P
    #腐女子向け
    #二次創作BL
    secondaryCreationBl

    【飯P】寝台の上の獣 悟飯が神殿を訪れると、ピッコロは自室の寝台へ腰掛け、不思議なものを胸に抱いていた。
     白い毛並みに黒の斑、瘦せてはいるが瞳に光はある……いたって普通の、当たり前の猫だ。ピッコロが抱いているから、なんだか未知の生物のように見える。
     「死にかけていたところを拾った。もうだいぶ良い」
     何気ない調子だったが、話しながらも片手で毛並みを撫でている。扉の側に立ったデンデが、笑って言った。
     「一昨日、トランクスさんが来て珍しく組手してたら、この子……ピッコロさんがいじめられてると思ったのか、トランクスさんに飛びかかって噛みついたんですよ」
    「へぇ……ピッコロさんに懐いてるんだねぇ」
     悟飯は感心して頷く。ピッコロを守ろうと必死になる猫……仲間意識を覚えずにいられない。しかし続いたデンデの言葉に、その感情は一瞬でねじ曲がった。
     「トランクスさんのお友達が、今準備してるそうなので、来週にはお別れですけど……今は、夜もその寝台で丸くなってるんですよ」
     お茶を淹れて来ます、とデンデは部屋を出て行く。悟飯の目は、ピッコロに抱かれた猫へと向いた。
     「……寝る時も、一緒なんですか」
    「暖かいらしいな」
     事もなげに猫の喉を擽るピッコロの態度が、ますます悟飯を煽った。
     「やめてください」
    「何をだ」
    「猫と寝るの、やめてください」
     あまりに真剣な悟飯の声色に、ピッコロは怪訝な面差しを向けた。悟飯は怯まず、更に踏み込む。
     「僕だって、その寝台へ入れてもらったことはないのに。猫が先なんて、おかしいでしょう」
    「……獣に嫉妬するな」
     呆れたように嗜める声音が、火に油を注いだ。まるで、猫の肩を持たれたようだ。
     「僕より猫が好きなんですか?」
     感情が堰を切り、悟飯は寝台へ片膝をつく。ピッコロは驚きに目を見開き、猫は咄嗟にピッコロの腕から飛び降りた。ピッコロが戸惑いから立ち直るより早く、悟飯が強引に唇を塞ぐ。舌を差し入れると、戸惑いは明確に抵抗へ変わった。呼吸に官能の色が混じる前に、ピッコロの両手が悟飯を押し返そうとする。
     「……あっ!」
     猫が脚へ噛みつき、悟飯は思わず身体を起こした。
     解放されたピッコロが、すぐに悟飯の脚を見る。服の上から噛まれたせいか、出血はない。ほっとした様子で、次に口を開けさせた。
     「ああ、こっちは血が……だから嫌なんだ、舌を入れられるのは」
    「ふん。その牙も、大好きな猫とお揃いですね。僕より好きな猫と」
     未だ不機嫌に顔を背けた悟飯に呆れきって、ピッコロは猫を抱き上げた。猫は悟飯への敵意を剥き出しにして、全身の毛を逆立てて唸り声を上げている。
     「こいつに悪意はない、馬鹿なだけだ……ほら、デンデのところへ行っていろ」
     宥めるように優しく撫でながら、ピッコロは猫を廊下へ出し、扉を閉めた。馬鹿なだけ、と断じた悟飯の前へ戻ると、厳しい目を向ける。
     「もう一度、口の中を見せろ」
     悟飯とて、普段は怪我などせぬよう気を付けているのだ。ピッコロがそれを恐れて深いキスに抵抗があることを、分かっているのだから。しかし今日は、衝動が先に立ってしまい、気を遣う余裕がなかった。
     「……ほら、まだ血が滲んでいる」
    呟いて、ピッコロはそのまま悟飯の頬に手のひらを当てる。それからゆっくりと、唇が唇に触れ、ほんの少し舌が忍び入り……傷に血の滲む舌の側面を、優しく舐めた。
     「誰が、お前より猫を好きだと言った?」
     囁き声に、悟飯は目を見開く。
     「寝台だって……機会がなかっただけで、入れないとは言っていない」
    「じゃあ……じゃあ、今日、入れてくれますか?」
     身を乗り出した悟飯を押し戻し、ピッコロは立ち上がる。
     「その傷が癒えてから、考える。お前はまず落ち着け、獣でもあるまいに」
     目を細めたピッコロの微笑は、猫に向ける慈しみとは違い、しかし猫のように気紛れな風情だった。
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    Replies from the creator

    summeralley

    DONE急いで進めてるけど12話くらいにはなってしまいそう……少し先でベッドシーンで丸々一話使ったせいで……。
    ネイPのP、ちょっと子どもっぽく書いてしまう。
    【ネイP】解剖台で夢を見た/04.聴診器の語るもの ネイルは殆ど、家へ帰らなくなっていた。職員がみな帰るのを待ってから仮眠室へ下りるので、それから帰宅となるとどうしても遅くなる。
     元々、仮眠室へ寝泊まりすることはそう珍しくなかった。同じフロアに、簡易的なシャワールームもある。食事は水で事足りる。コインランドリーは研究所の道向かいだ。
     ――家へ帰ったところで、仮眠室の様子が気になって眠れず、警備員が驚くような早朝に出勤することになる。
     自らが切り刻んだ研究対象への執着なのか、単純な個への執着なのかは、判然としなかった。それでも、寝袋を持ち込んで寝泊まりするようになるのは、ネイルにとって自然な選択だった。
     その日ネイルは、どこか浮き足立っていた。
     石室の標本に関する嘘の報告書は問題なく受理され、更に詳しく検査を進めるようにとの文言を添えた、検査項目のリストだけが戻ってきた。それも、時間がかかることを誰もが理解できる検査項目ばかりで、当分の時間は稼げそうに思われる。
    3016

    summeralley

    DONE10話くらいで終わりたいとか言ってたのに、少し先の話に性的なシーンを入れたので予定が狂って10話で終わるの無理になりました。ネイP次いつ書くか分かんないし、どうせならって……。
    【ネイP】解剖台で夢を見た/03.新しいラベル 「石室の標本について、何か分かったか?」
    「報告書の通り、特段変わったことはありません……何しろ前例がないので、手探りで。慎重に進めています」
     ムーリは頷き、引き続き任せる、と研究室を出て行く。ケースの観察窓を覗かれなかったことに、ネイルは胸を撫で下ろした。研究者としては、それが正しい振る舞いだ。以前ネイルがそうせずにいられなかった、無闇に観察窓の蓋を開ける行為は、暗闇で保管されていた検体にどのような影響を与えるか分からない。
     ネイルの返答は、完全な嘘ではなかった。このような現象に、前例があるはずもない。腐敗せず、硬直もしない遺骸など……ただし「変わったことはない」という部分は、真っ赤な嘘だ。
     石室の標本はもう、標本ではない。さりとて、それを報告できようか? おそらく、上層部の判断で、もっと大きな研究所へ送られることになるだろう。戸籍もない古い時代のナメックが、「呼吸する標本」……良くて「実験動物」として扱われることなど、目に見えていた。
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