🐕️📷️ あの人にこんな感情を抱いたことこそが、端から間違いだった。
「それに気づいたのがついこの間っていうのが、救いようがねえですねー」
独り言ほど虚しいものはない。部室で1人呟いた言葉は誰にも気付かれずに消えゆくのみ。
まだ部活が始まるまで時間があったからアルバムの整理を始めたはいいものの、途中から明らかに1人だけ写真の量が増えている事実にもう笑ってしまった。
目を細めて優雅に笑う彼を、ひどく愛おしく感じてしまう。手足の先まで洗練されたその姿は、どうしたって己の目を奪っていく。
これは見開き1ページまるっと彼の写真で埋められているページもあるかもしれない。
流石にまずいかと作業を一度中断し、前のページを捲っていく。
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