姫神との面会後
「さて、姫神様との面会も終わったし、小狼くんはちょっと休もうかー?」
にこやかにファイが小狼に声をかける。
「え?いや、大丈夫だが?」
キジムに乗ろうとしていた小狼が手を止めて否定する。
「ほう?」
黒鋼がそんな小狼を見つめる。
「…大丈夫だ」
「我慢するのって良くないってモコナ思うな〜」
黒鋼の肩からモコナがひょっこり出てきて小狼に言った。
「無理をしてるつもりはないんだが…」
苦笑いで応える小狼はふぅと息を吐くと
「少しだけだ」
「それが無理してるっていうんだ」
「そうそう、小狼君は起きたばかりなんだから休まないとね〜」
「モコナも一緒に休むー」
仲間たちからやいのやいの言われその間に黒鋼に抱えられて、キジムに乗せられる。
「えっと、本当に少しだけなんだ、ツラいのは」
「そう言ってる間にお前は悪化させるだろ。寝るなら寝ておけ、無理なら目でも閉じておけ」
「……わかった…すまない」
目を閉じた小狼からしばらくすると寝息が聞こえる。
それみたことかという表情の黒鋼と、苦笑いなファイは住処まで戻ると小狼をリビングにある方の寝台に寝かせてひと息入れる。
「さて、モコナは寝ちゃってるけど、四月一日君とはお話しできるかなー?」
「できるだろ、あいつが寝てる間に済ませるのか」
「御嶽で使った対価はまだ払ってないみたいだからね、ついでに四月一日君が知ってることは教えて貰わないとね」
四月一日から話を聞いた黒鋼とファイはそれはそれは複雑な心境で、でもその後小狼本人からも御嶽での出来事を聞いたりして、本人から次からはなるべく伝える努力をするという言葉を引き出した。