7歳のあの日がくる前に年齢が戻ってしまった小狼。
見知らぬ人間が目の前にして驚く。
父と母がいないことにまず気付き、ここは自分のいた世界ではないと気づく。
母から世界はその存在を知るものの前ではひとつではないと聞かされていた小狼は、ここは俺のいた世界ではないのか?と聞くと驚く2人。
モコナから自己紹介を初めてそれぞれの素性を何となく把握する小狼。
自分が魔術によって時間が一時的に戻っていることを理解した上で一緒にいるという2人と1匹と過ごすことに。
基本的なこともできるし、知識もある。
普段とあまり変わらないけど、どことなく楽しげな雰囲気の少年に大人2人は自然と頬が緩くなる。
ようはつい甘やかしてしまうのだ。
ちょっとしたお菓子を作ったり、鍛錬を共にしたり。
普段の彼なら遠慮することも多いが、小さい彼は何でも吸収して、楽しそうにその成果を話してくれる。
口数少ない青年の彼からは想像もつかないくらいに多弁である。
そんな日々を過ごすの中でやはり少年の生い立ちが気になるのが保護者の気持ち。
普段の彼に聞くのは古傷を開くような感覚もあるため聞かずにいたが、今の彼にならと、どんな両親だったのかを聞いてみる。
父さんから剣の師匠の話を、母さんから美味しい料理を作る魔術師の話をよく聞いたと話が出る。
いつか会えるよって父さんと母さんが言ってたとキラキラした目で聞かされてたら嬉しい。
その話を聞かされて嬉しいような恥ずかしいような保護者2人。
しばらくして元の姿に戻った小狼はその時話した記憶はないけれど、ふと遠い昔の記憶を思い出して、父と母が話していた人が2人だと知って嬉しくなる。