ひいらぎ飾ろうモコナが軽やかに歌う声が聞こえる。
誰かが髪を撫でてくれている。
優しく撫でてくれる手つきから、料理上手な彼だろうか?
今日のクリスマス料理はいつもより手間暇かけたと言っていたな。
彼の料理はいつも美味しいけれど今日はまた格別に美味しかった。
みんなであっという間に平らげてしまった。
メインのケーキは手伝って作った。
クリームとイチゴたっぷりのクリスマスケーキ。
うん、あれは楽しい時間だ。
クリスマスなんていつ以来だろうか。
酒に酔って少し横になっていたが、うっすらと目を開ける。
「あっ小狼くん、起きた?ごめんねー飲ませすぎちゃったみたいで」
「自分のペースでいいって言っただろうが」
コツンとオデコを軽く叩かれる。
温かいと思ってたらどうやら忍者である彼の膝の上だったらしい。
少し硬いと思った。
フッと笑った気配を感じたのか。
彼は眉を顰めた。
「何笑ってやがる」
「楽しいなと思って」
「あ!小狼起きたの〜!じゃあじゃあモコナと歌おう!」
モコナが弾むように跳んできた。
「ああ、何がいいかな?」
「モコナ、小狼と歌えるなら何でもいいの〜」