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    syunenmei5

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    ⑤②ムルグレ
    夢からこちらへ

    西部センク協会には朝練がある。
    流石は実力主義の協会。日々決闘のために研鑽を積み、更なる高みへ向かう努力を惜しまない。
    正々堂々と衆人環視の中で実力を見せつけ、栄光と羨望を掴み取る。

    今正に眉間に皺を寄せ、夢に帰りたがっている彼もまたその一人だ。聞くと、センクの活動の一環でしている動画配信が、ここ最近は再生数の伸びが良いらしい。

    今日はそんな彼、ムルソーの朝練が無い日。
    普段は俺より早く起きて朝練に励むのだが、今朝ばかりはしっかりと寝坊を満喫していた。
    だが、とはいえもう昼に足が掛かろうかという頃合い。
    そろそろ起こしてやろうかと、体を起こしてシーツにくるまったままの彼に声を掛ける。

    「おーい、ムルソーくーん」
    「……」

    起きてはいるのだろう。が、眠気に勝てないらしい。
    寝ぐずる婚約者が可愛くて可愛くて、小さく笑いつつベッドに乗り、形の良い額にキスを贈った。

    「おはようさん。良く寝られたか?」

    閉じられていた瞼が薄く開き、数度瞬きを繰り返す。
    今日を出迎えたご褒美に彼の髪を撫でて乱れを取ってやる。
    そして、やっと俺を見たおぼろげな深緑へもう一度朝を告げた。

    「おはよう」

    朝ごはんも温め直してやるから、早く夢からこちらへおいで。
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