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    syunenmei5

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    syunenmei5

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    ⑤②ムルグレ
    雨中の黎明

    夜更けから降り続けている雨が一度強く窓を叩き、俺の夢を蹴散らされる。

    「……、…………」

    焦点の合わない世界で瞬きを数度。
    やっと見え始めた景色は見慣れた壁、と、家具。あと枕とか、シーツとか。
    全部まとめて薄暗く、カーテンの向こうから透ける光も弱かった。

    「……くぁ」

    今、何時だろう。
    起きたい時間よりずっと前だろうが、雨のおかげで定かではない。
    ベッドボードにあるはずの目覚まし時計を手に取ろうと寝返りを打つ。

    「ん……」

    が、上手くできなかった。

    背後から届くかすかなうめき声。
    それで意識する腰に乗る太い腕と、肌寒い空気から背中を包んでくれる温度。
    うなじに感じる微かな寝息から、可愛い婚約者に甘えられていることを把握する。うめきはこちらの身動きに反応したのだろう。起きる様子は無く、静かに眠り続けている。
    長い足までしっかり絡めて、さながらこちらは抱き枕。
    くっつく素肌から与えられる温かい体温が今朝は心地いい。

    「……………………」

    ろくに身動きもせず、雨の音と規則正しいささやかな息を感じつつ。
    心地良い温度に包まれてしまえば夢はすぐに戻って来た。

    この時間が密かに好きだ。
    俺と、彼と、それだけの黎明。
    もう少しだけ、もう少しだけ。
    夢の中、へ。
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