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    syunenmei5

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    syunenmei5

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    ⑤②ムグ
    ふんわりピーチ

    ソファでツヴァイヘンダーを手入れ中、不意に後ろから抱きしめられた。
    そのまま当然のように首筋へ顔が埋められる。
    少し驚きこそしたがすっかり慣れたもので、形ばかりの苦笑をしつつ愛剣を置いて肩の頭を撫でてやった。

    「ん? どうした?」
    「……? 甘い匂いがしますね」
    「お、分かるか」

    頭を撫でられながらムルソーが顔を上げる。
    耳のすぐ後ろを嗅がれ、流石にくすぐったくて肩が震える。

    「同僚の女の子から香水貰ったんだよ。桃の匂いだろ? リラックス効果があるんだとさ」

    甘ったる過ぎず嫌味も無く、ふんわりと香る優しい匂いはリピートしてもいいかと思うほど。普段から煙草臭いだのおっさん臭いだの散々言われているから、煙草が駄目なお客さんの時くらいに使うのもありだろう。
    すんすんと嗅がれながらそう思っていると、再び頭が肩へ。

    「なるほど。確かに安心します」
    「だろー?」

    ええ、と応えながらソファの前に回り込み、流れるように押し倒して来る大男。
    疑問に思う間も無く愛剣はそっと傍らに。鮮やかな手際で天井を見せられる。

    「んえ?」
    「もっと嗅がせて貰えますか?」

    そう言って今度は覆いかぶさるように首筋へ顔を埋める。
    体が一層密着して、背も体格も勝る相手になすがまま。
    我ながら呆れるほど無抵抗すぎると思うが、仕方ない。これも惚れた弱みだろう。
    本当に香りを堪能したいだけかもしれないし、まあ……よこしまな手が動かない限りは好きにさせようか。

    「って、こら」
    「む」
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