なぜか、ここに来てしまった。
玄関扉の開く時間ももどかしく目の前のその胸に飛び込んだ。
どうしたんだ、と戸惑う声が頭上から聞こえる。
(戸惑ってんのは僕っすよ)
言葉が出てこない。でも体の熱は不思議と落ち着いてきた。
「……夕食食べていくか?」
「食べるっす!」
元気よく顔を上げてみせる。ちゃんといつもの笑顔できてるっすかね。
あとで理由を聞かれたら、ちょっと疲れただけだと答えればいい。

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