宝石はお好きですかのプロット部屋の引き出しにルビーメチャクチャ入ってるロー
宝石自体に価値があるって思ってる訳じゃ無いか扱いはめちゃ適当、入ってるだけ
誕生日にはいつもドフラミンゴからでっかいルビーを送られてた
「やはりコラソンには赤が似合う、おれ達の血に相応しい大きさと輝きの宝石を選んで用意させた」
2人旅に出る時に持ち出して定期的に売っては旅費にしてた
なんとなく年イチでルビーを引き出しに放り込んでるロー
よく考えなくても多分ルビーなんかいらないんだろうな、あの人
2人旅の間は適当な格好だったし、赤い服でも無かったし、そもそも赤いコイフも赤いハートのシャツもコラソン役に相応しいようにドフラミンゴが用意させたんだろうな
丸半年一緒だったのに全然好みも分からなかった、誕生日だってスルーだったし、そもそも答えたとしても本当だったかどうか……
考えてる内に馬鹿馬鹿しくなって引き出しの中身を床にぶちまけるロー
足下に転がったルビーがブーツに反射して一瞬血に見えて蹴り飛ばす
もう捨てたろ!と思って掴み上げるけど結局引き出しに戻すロー
あの人のこと何も知らないから、嘘か本当か分からない思い出でも縋るしか無い。あの人の持ち物を売らせたのはおれだ、ひょっとしたら気に入ってた物もあったかも……
引き出しの中の色とりどりのルビー、その下の古ぼけた手配書
どのルビーの色味も違うし写真の色味だって違う気がする
……おれはあの半年の間、何をしていたんだろうな。今だったらきっと好みを聞いて、誕生日プレゼントだって……
憂鬱な気持ちになって引き出し閉めるロー 光の残滓がまだ目の奥で赤くちらついている。
……なんてこともあったな。
転生後に裸のルビーガラガラ渡されて焦るコラさん
なになになに!?これ本物!?
そうだよ。鑑定書とか無いが間違いなく本物だ、保証する。
どっから!?いくらしたんだよこれ!!
昔の宝置き場から持ち出したので元手は掛かってない(同一世界転生)
名前も見た目も違うし赤い宝石なんか全然似合わないし、昔のおれのフォローなんかする気も無い。そんなことされたって腹立つだけだって自分が1番知ってる。
でもいいんだ、これはあんたにあげたもんだから。あんたの物だから好きにしてくれ、売るなり加工するなり……
「なに?怖……。よく分かんねェけどお前がくれるんじゃ無けりゃ別にいらねぇよ、宝石とか趣味じゃねェし似合わねぇし……」
困惑のコラさんを横目にそうだよな~って笑うロー
今のおれじゃあんな金銀財宝の用意なんか出来ねぇけど、いいんだ。「ドジって落としても大丈夫なやつがいい」って知ってるから、安物のファッションリングはもう3本目だ。すっかり目が肥えた元クルーは「もっと良い物いくらでも用意できますよ?」なんて毎回聞いてくるが、あんたが欲しいものをおれが渡せるのが良いんだよ。
こんなものよりあんたの笑顔がよっぽど欲しかった、昔から。「大げさだなァ」笑うコラソン、その目に映るルビー、瞳の奥へちらつく赤い光。