ルメラに卑猥な絵巻が見つかる話「あっ」
「あ…」
ルメラの手には数冊の本と……秘密裏に買って隠しておいた筈の、私と王の情事が詳らかに描かれた卑猥な絵巻。慌てて彼女の手から絵巻を取り返すと、書斎にはとんでもなく気不味い空気が流れ始めた。
ルメラは耳元まで紅潮させ、目を大きく見開きながら
私を見てくる。しくじった。誰よりも読書好きで純粋な彼女だからこそ、この絵巻は見せたくなかったのに。私が王を抱いている絵なんてこの子は見たくなかっただろう。
「ご…ご主人様…….!これは…」
「ち、違うんだ…!!話すと長くなるが事情はあって……中身は読んだか?」
「……いえ、読んでません」
「…読んだんだな?」
「申し訳ございません。読みました」
お手本のように綺麗な土下座で謝罪してくる。
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