一生一緒タル鍾 その瞬間、氷柱が降り注ぎ、暴風が吹き荒れ、烈火が爆ぜた。
なぜだ!と少年仙人が唸るように叫んだ。
「なぜ?」
応戦する長身の男は首を傾げる。
「なぜだ、はこっちのセリフだよ!」
一閃。
「君たちは先生が大好きだったろう。なぜ俺たちの邪魔をする?」
「それが、それが我らと鍾離様の——最後の契約だからだ!」
【ここに契約を交わし】
あぁ、しくじった。タルタリヤはそう心の中で独り言ちた。
楽勝な任務のはずだった。実際その任務自体はすぐ終わったのだ。部下たちの働きもまあ次第点と言えるだろう。まさか、こんな——。
「……ちゃん。ファデュイのお兄ちゃん!」
子どもが叫ぶ声が遠くから聞こえる。何か呼ばれているということは理解できても、今のタルタリヤにはその意味を理解する力は残っていなかった。
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