茶や豆に興味がおありでしたか?
締めくくりとして添えた質問に、魔皇は首をかしげて答えた。
一段落を見計らって、茶を用意するのはガープの役目だ。このところは茶菓子の代わりに、ひとくさりの知識を注文されている。また事業でも始めるのかとたずねてみれば、どうやらそうでもないらしい。ただ聞いていただけだと、あくびが理由に手を添える。
「貴様に喋らせておけば、余計なことを考えずに済むからな」
持ち込まれた判断の束は、主の返答を待つために、今も列をなしたままだ。
一つ生返事をして、ソファに埋もれていく背を見届ける。食器を下げようと伸ばした手が、不意に起き上がる肩にさえぎられた。
「それも良いかもしれんな」
「ええ……?」