イースター 春もたけなわとなった頃、アバロンにはその祭りの時期が訪れる。
生命の誕生と復活、そして繁栄を願う伝統的なその祭事は大人達にとって家族や仲間と食事を楽しむ絶好の機会となり、子供達にはゲームを楽しむ機会になる。
そんな老いも若いも大いに楽しむその祭りに、子供好きの若い皇帝が何も行わないわけはなかった。
「そんなわけで、子供達のために手伝ってもらえないか。」
そういってジェラールが差し出したのはフェイクファーで作られたやたらと長い白い衣服のようなもの。ようなもの、と言ったのは通常の衣服にはついていないであろう固い球体のような部位があり、そこには縦に長い楕円様の飾りが二つついているからだ。
「よくもまあ、こんなもん用意しましたね…」
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