私の願い 郭紫白狼山での戦いが過ぎ、元化や紫鸞。みんなのおかげで郭嘉は一命を取り戻した。
「ここは……。」
目を覚ますと、薬品の匂いがツンと鼻を通った。
ふと、右手に違和感があった。
「……無名…殿……?」
郭嘉の手をぎゅっと握り、眠っていた。
モソモソと体を動かすと、紫鸞が目を覚ました。
紫鸞は郭嘉が目を覚ましている顔を見て安堵した。
「もしかして…ずっと私のことを…?」
郭嘉がそう言うと、紫鸞は首を縦に振った。
目の下にはうっすらと隈ができていた。
ちょうどその場に元化も来た。
「目が覚めましたか、郭嘉殿。紫鸞殿がそばを離れないと言ってて……俺は止めたんですけど……。紫鸞殿。ちゃんと寝てください?ろくに寝てないでしょう。」
元化の文句を素直に受け止め、紫鸞は横で眠った。
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