悪食王の墓荒らし1.
メリニ国再建より三年後。迷宮問題が終息し、かつては冒険者だった人々も身辺が落ち着きつつあった。
そのタイミングをみはからって開かれた宴には、大勢が集まった。
多種族が入り乱れ、老若男女、関係者の近縁遠縁も問わなかった。そのため宴は想定よりも大規模なものになっていた。さらに今日は無礼講だ、と悪食王がいったものだから開放的なムードに満ちている。
誰もかれもが浮足立っていた、というのも理由だろう。
その言葉にまったく、とうぜん、悪意はなかったのである。
「ライオスはめちゃくちゃ図太いから、絶対に長生きする!」
誰がそう発言したのかは誰も覚えていない。なにせ。
「はは。分かる分かる」
「あのライオスさんですからねぇ」
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