イサ兄ショタイサ「イサミ、お兄ちゃんから電話よ」
おやつの青いゼリーを食べていたら、お母さんが電話のところでおいでと僕を呼んだ。お母さんから貰った電話を両手で持って耳を当てる。
「もしもし、にいちゃん?」
『兄ちゃんだぞ!イサミィ!』
耳のところから大好きな兄ちゃんの声がする。声が大きくて、ちょっとだけ耳を離しちゃった。隣にいるお母さんも聞こえたみたいで笑っている。もう一回耳をくっつけたら、「うるさいぞ、あお」って誰かが言っているのが聞こえた。
「にいちゃん、あした帰ってくるんだよね。あのね、今日ね、幼稚園でたなばたのたんざく書いたんだよ。たんざくと、ちっちゃいささも貰ったから、にいちゃんも一緒に書こうよ」
『あー……それなんだがな、イサミ』
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