煌めく目の君「ジュジ、俺、絵を描き始めたよ。といってもスケッチなんだけど」
声を出して、目の前にあるツクヨが作った作品に話しかける。赤銅色の肌も、夜の闇で染めた絹糸みたいな髪も、朝露に濡れた薔薇の葉みたいな瞳の色も、生きているときのお前にそっくりで今にでも動き出して話し出してくれるんじゃないかっていつも思ってる。そんなことはないのは、わかりきっているのだけれど。
「ヴァルが写真に写らないからさ、残しておきたくてツクヨに教わったんだ。君のことも描いてあげればよかったな」
そっと撫でると髪の感触がして、温かさがないことを寂しく感じる。それでも、君に二度と触れられないよりはずっと良い。君の髪も肌も、死んだらもう二度と触れられないことが怖かった。体温と声が聞こえないくらい、君の全てを失うよりはずっとずっと良い。
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